「普通のレベル」を上げる
2022/4/13
アーティスティックスイミング(シンクロ)のコーチである井村雅代さんの対談の中で、このような言葉がありました。
「普通のレベルをいかに上げるか。コーチの指示を聞く時に、選手は立ち泳ぎをしながら話を聞く。」
「その時に、きちんと胸まで出た状態で話を聞いているのか、話が聞ければよい、という状態で聞いているのか。そこで選手の成長に差がつく。」
なるほどな、と思いました。
元プロボクシング世界チャンピオンの輪島功一さんも、このような言葉を残しています。
「100mダッシュをする時、あいつらはゴール前で力を抜く。だけど俺は最後まで全力で走り切る。」
「差にしたらちょっとしたもんだよ。でもな、その『ちょっとした差』の積み重ねが、後になって大きな違いになって生きてくるんだ。」
「日頃の勉強」が大事
生徒の中で、同じようなミスを繰り返す子がいます。
「どのようにすればミスはなくなるでしょうか?」
という相談を受けます。
ですが、これは周りが解決できる問題ではありません。
生徒自身が「このままではマズイ」と自覚し、普段の勉強の中で意識をし、繰り返し練習する。
これ以外に改善する方法はありません。
生徒が「つまづきやすい所」を指摘することはできます。
「ここは間違えやすいから、気をつけようね」
実際に、そのようにアドバイスしています。
ですが、ミスをする生徒は、いくら言ってもミスをします。
周りがいくらアドバイスをしても、本人にその自覚がなければ、改善はできません。
なので「ミスが減らなくて困っているんです…」という生徒には
「日頃の勉強の中で、自分で意識して直していこうとしない限り、ミスはなくならないよ」
という話をしています。
地道な積み重ねこそ重要
以前、中3の夏頃に面談に来た方がいらっしゃいました。
「今まではほとんど勉強もせず、塾にも行っていなかったのだけれど、お金を払って塾に通うんだから、今よりも上の高校に行ってもらわなければ困る」
このような趣旨のことをおっしゃいました。
話を聞いていて、「これは危ないな…」と思ったので、
「塾に通ったからといって、そんなにすぐに結果が出るわけではない」
「特に中3の場合は、どれだけやっても点数が下がることの方が多い」
「今から志望校を上げるとすれば、相当な覚悟を持って臨まなければ難しい」
と、正直にお話ししました。
その後、このご家庭からは、体験授業のキャンセルの申し出がありました。
「塾に通えば、なんとかなりますよ!」
と甘い言葉を言って、勧誘する手もあったのかもしれません。
ですが、必死に勉強しながら、それでも成績が上がらず苦労している受験生を見ていたので、どうしてもそうした甘い言葉を言う気にはなりませんでした。
「日々の勉強を、どれだけ高い意識を持って取り組むことができるか」
「その積み重ねによって、『普通のレベル』をどれだけ上げることができるか」
それこそが生徒が成長する秘訣である。
私はそう確信しています。
☆YouTubeチャンネルもやっています
https://www.youtube.com/channel/UCcorE8DZR8FqA_EX2tlHo-A/featured?view_as=subscriber
ぜひご覧ください。