褒め上手?
2022/12/15
授業後、生徒には毎回
「授業の感想」
「今日を振り返っての感謝」
を記入してもらっています。
先日、このような感想を書いた生徒がいました。
塾に入る前の面談で
「以前は厳しい塾に通っていた」
「指導が厳しすぎて勉強するのが嫌になりそうになったので、一旦辞めた」
という話を聞いていました。
ところがテストを見ても、そんなに結果が悪いわけではない。むしろ良い方。
実際に指導してみても、こちらの指示には素直に従うし、宿題を出してもちゃんとやってくる。
「覚えてこい」ということも、きちんと覚えてくる。
「いったい、この生徒の、どこにキレていたのだろうか…?」
と首をかしげることしばし。
生徒は「たくさん褒めてくれる」との評価をしてくれていますが、自分の感覚では、それほど褒めている気はしない。
きちんと覚えてきたことに対しては
「よく覚えてきたね」
宿題を全部やってあったら
「よくがんばったね」
これくらいです。
「悪いところ」ばかり指摘されると…
そうはいっても、私はどちらかといえば「褒める」タイプの指導者だと思っています。
それは「生徒を乗せたいから」という意図もありますが、それよりも
「自分のテンションを上げたい」
というのが主な理由です。
保護者の方と面談していると、
「うちの子は…」
ということで、お子様の「悪い点」にフォーカスした話が中心となります。
ご自身の息子、娘さんのお話なので、そこには謙遜も入っていると思います。
ですが、そのような「ダメな部分」の話を延々と聞かされると、だんだんとつらい気持ちになってきます。
以前、
「保護者面談をすると、なんかテンションが下がるのは、なぜなんだろう?」
と思ったことがありました。
そこで
「そうか。生徒の『悪い点』ばかりを聞かされるから、段々と気が滅入ってきているんだな」
と気づきました。
「きっと生徒たちの中にも、同じ感情でいる子はいるんじゃないかな」
そう思いました。
なので、
「厳しいことを言うのは、親御さんに任せて、自分はなるべく生徒の『良い点』を見つけるようにしよう」
と意識するようになりました。
実際に意識してみたら、こちらの方がテンションが上がります。
自分的にもしっくりきているので、
「じゃあこのスタイルでいいかな」
という感じで、今に至っています。
ただ「ほめりゃいい」というわけでもない
ですが、だからといって
「じゃあほめときゃいいんでしょ」
という訳ではありません。
生徒の様子をきちんと見て、
「がんばったな」
「成長したな」
と感じたら、ほめる。
そうしなければ、子どもたちも馬鹿ではありません。
「ああ、この人の言葉は軽いな」
と、簡単に見抜かれてしまいます。
また、時には「厳しさ」も必要です。
特に男の子は「大人の顔色をうかがう」ところがあります。
あまり甘いことを言っていたら、なめてかかってきます。
なめた態度を取ってきたら
「お前、なめてるの?」
と、きちんと「締める」必要もあります。
ですが、それも「悪いことをした場合」です。
「厳しければ何でもいい」のか?
自分は、今と比べれば「厳しく」言われてきた方だと思います。
ですが、
「何でもかんでも『厳しく』やればいいってわけではないよな」
と子どもながらに思っていました。
自分が悪いことをして怒られる分には「仕方ないな」と思っていました。
ですが、たまに必要以上に怒られる時があり、そんな時は
「別に普通に言えば、こっちもバカじゃないんだからわかるよ」
「なんでこんなにキレてんだ?」
と、思うこともありました。
そういった経験があるので、ダメな時は「ダメ!」と怒りますが、そうでなければ、普通に話すように心がけています。
それが「甘い」といえばそれまでですが、ただ意味もなく「キレる」というのは本当の「厳しさ」とはちょっと違うと思います。
そもそも、そういった「キレる」指導法は、自分には合わないな、というのが私のスタンスです。
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