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宿題の「自主学習」化に思うこと

2021/4/15

学習指導要領が変わった影響だと思うのですが、
小中学校の宿題が「自主学習」に
切り替わっている学校が増えてきているようです。
先日は小学生の保護者様から相談を受けましたが、
昨日は中学生の生徒本人から
「『自主学習』って何をやればいいですか?」
という相談を受けました。
「それを考えるのも含めて、
自主学習だと思うんだけどな…」
と心の中でつぶやきつつ、アドバイスしました。
なぜ、いま空前の「自主学習ブーム」なのか。
正確なところはわかりませんが、おそらく
「これからの社会は『先の読めない』時代になる」
「言われたことばかりやっていては対応できない」
「小さい頃から『自分で考えて行動する』クセを
つけておかなければならない」
という流れではないかと思います。
「理想的」な考えだと思いますが、
日々小中学生の生徒と接していて
「現実」を見ている自分からすると、
この理想通りに動ける生徒は
「かなり限定される」と思います。
「自主学習」を組み立てることができる生徒は
ある程度「学力がある」生徒に限られる
と思います。
「自分は〇〇ができないから、これをやろう」
そうした自己分析ができるだけの
子供なりの「経験」「知識」があるから
それを元に組み立てることができると思います。
一方、大多数の小中学生には、
それだけの自己管理能力がありません。
「『自主学習』といっても、具体的に、
何をやればいいんだ?」
ここで思考停止に陥って終了だと思います。
「自主学習」の流れが加速する結果どうなるか。
おそらく「学力格差」が一層広がって
いくことになるだろうと予想しています。
優秀な生徒は自分で勉強を組み立てて、
どんどん実力を高めていく。
そうでない生徒はどうしていいかがわからず、
勉強することをあきらめる。
「小学生の英語の教科化」といい、
「宿題の自主学習化」といい、
現場で指導している立場から見ると、
「公教育は、学力格差を拡大する方向に
進めていきたいのか?」
と思うようなことばかりやっている気がします。
はっきり言ってしまえば、そちらの方が
我々の業界は儲かるかもしれないので、
歓迎すべき流れなのかもしれません。
ただ、教育に携わる1人の人間としては、
「でもなぁ…」と思ってしまいます。
これはあくまでも自分の予想なので、
「自主学習」がいい方向に転がることも
もちろん考えられます。
自分の予想はよく外れるので、
そうなることを願っています。
ぜひご覧ください。

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