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商売の「コツ」

2022/12/16

小さいながらも事業を営んでいるせいか、働いている人の様子を見ていると、色々なところに気がつきます。

飲食店に入って、暇なのに従業員がたくさんいると

「人件費、もっと調整した方がいいんじゃないか」

とか、レジ待ちしている時に

「レジの周辺には、どのようなものが置かれているのか」

とか、看板や広告を見て

「なぜこの場所に、このような広告が出されているのか」

などなど、あれこれと考えては、

「何か自分の仕事に活かせることはないかな」

と思いを巡らせています。

近所のスーパーにて

そんな日常を過ごしているのですが、ある時、スーパーで買い物をしていました。

空いている時間帯だったので、お客もまばら。

レジ打ちの仕事もポツポツとあるかないか、という感じでした。

支払いを済ませ、何気なく袋に荷物を詰めていたのですが、レジ打ちの仕事がなくなったおばちゃんが、レジが空いた次の瞬間、すばやくレジから飛び出し、たまっていたカゴを元の位置に戻し始めました。

そのテキパキとした動きを見て

「ここのスーパーのパートのおばちゃんは、鍛えられているな」

ということを思いました。

思い返してみると、支払いの時にお年寄りの方が小銭を出すのに手間取っている時には、ただ支払いを待っているのではなく、先にカゴを運んでいました。

「ちょっとした気づかい」かもしれませんが、なかなかこういうことはサッとできないものです。

こうした「ちょっとしたところ」に商売のコツがひそんでいるのではないか。そう思いました。

同じ店舗でも

近所に、同じ看板を掲げる「粉もの屋」があります。

一方は繁盛しているのに、一方はイマイチ。

「同じ材料を使っているはずなのに、何が違うのか」

一度食べ比べてみました。

確かに繁盛している店の方がおいしく感じられ、イマイチの店の方が味もイマイチ。

この差はどこから来ているのか。

おそらく「提供の仕方」だと思います。

繁盛している店は

「お客様が買い物をしている間にお作りしておきます」

というスタイル。

隣にスーパーがあるので、買い物前に注文しておけば、買い物を済ませた後に、作りたてを食べられる、という訳です。

一方、イマイチな店は、そうした工夫はありません。

買ったらすぐに出てきますが、おそらくそれは「作り置き」のものです。

「作りたて」を食べられるか、「作り置き」を食べるか。

ここに味の差が生まれているように思います。

イマイチな店も、同じようにスーパーに隣接しているのだから、「買い物後に提供できます。」という風にすればいいのに、と思うのですが、やらない。

近くに「買い物後でも提供できますよ」という弁当屋があるので気づけると思うのですが、それも真似しない。

自分だったら、

「買い物中にお作りしておきます」

という貼り紙を貼ってアピールするけどな、と思います。

このくらいの工夫は、紙一枚とマジック、セロテープがあればすぐにでもできます。お金もほとんどかかりません。

「ちょっとしたこと」なのに、そこで大きな差がつく。

そのようなことを思いました。

商売と勉強の「コツ」

商売の「コツ」というと、何か特別なことがあるのではないか。

当初はそのようなことを思っていました。

ですが、最近思うのは、商売の「コツ」というのは、実は難しいことではなく、

「誰でもできること」を「当たり前に行うこと」なのではないか。

そのように感じています。

勉強もまた同じです。

この時期になってくると

「○日間で完成!」
「これを使えば、短期間で偏差値○アップ!」

というような、威勢のいい宣伝文句が出てきます。

ですが、そうしたものはほとんど効果がないのではないか。

そう思っています。

「単語を覚える」
「漢字を覚える」
「計算を繰り返し練習する」

当たり前すぎて、退屈かもしれません。

ですが、こうした「当たり前」のことをコツコツと積み重ねることができる。

そうした人間が、結局勉強面でも強い。

私はそう考えています。

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