みんなちがって、みんないい
2022/11/30
うちの塾は小さいです。
なので、生徒1人1人の様子を見ることができます。
以前
「生徒1人1人に『ドラマ』がある」
ということを書きましたが、特に受験生を毎年見ていると「本当に、1人1人違うな…」ということを思います。
思い通りの志望校に合格できる子もいます。
思うように成績が伸びなくて、志望校を下げる生徒もいます。
それぞれ違いますが、どの子も「受験」というものを通して、様々な経験・成長をしているように感じます。
その中でも、今でも印象に残っている生徒が何人かいます。
そうした生徒のお話をしようと思います。
Mちゃんのお話
Mちゃんは中学1年から塾に来ました。
塾に来た当初は、まだまだ幼い感じの子でした。
読書が好きな生徒でしたが、勉強はキライで、宿題もちょこちょこ忘れてきていました。
そのことをこちらが叱っても「あっけらかん」という感じ。
「どうしていけばいいですかね…」と保護者面談では、保護者と一緒に毎回頭を抱えながら相談をしているような子でした。
そんなMちゃんでしたが、転機が訪れます。
「点数下げたくないんです!」
1年生の頃、テストの点数は上がったり下がったりを繰り返していました。
それが2年生になり、1学期のテスト。「中間→期末」と点数が上がりました。
そして2学期の中間テスト。ここでも点数が上がりました。
そんなに大きく点数が上がった訳ではなかったのですが、
「そういえば、点数がちょっとずつ上がってきているな」
と思い、Mちゃんに
「テストの点数、ずっと上がってきているね」
という話をすると
「そうなんです!2年になってから、点数ずっと上がっているんです!だから、点数絶対下げたくないんです!!」
と鼻息荒く宣言。
そして、勉強もがんばるようになりました。
「テストの難易度が上がれば、点数は下がると思うけど、がんばっているから、まぁ、いいか」
と思って、本人の意思に任せていました。
その結果、2学期の期末テストも、3学期の期末テストも、点数を上げ続け、見事に2年生の点数は「右肩上がり」を達成しました。
中3になってからも
中3になり、テストが難しくなったので、さすがに点数は下がりました。
ですが、目標としている「豊科高校」には十分に入れるだけの成績を維持していました。
「今の成績を維持できれば、十分合格できるから大丈夫だよ」
という話をしても、
「いや、不安です。」
「あ~、落ちたらどうしよう…」
とオロオロしながら、受験までの日々を過ごしていました。
中1の頃は、こちらでどれだけ言っても勉強に後ろ向きだった子が、中3になって、自分から必死に勉強している。
「子どもというのは、短い間に本当に成長するんだな」
ということを実感させてくれる生徒でした。
人間的にも成長した
入試は無事に合格。
目標としていた豊科高校に進学しました。
学力面も成長しましたが、人間的にも大きく成長しました。
中1の頃は「周りの人に感謝しなさい」と言っても
「自分に感謝!」
と書いていた生徒でしたが、中3になって感想を書かせたら
「周りの人に感謝。塾に感謝!」
ということを書くようになりました。
無事に合格してくれたのも嬉しかったですが、人間的に成長してくれたのが、一番嬉しかった。
そんなMちゃんでした。
Mちゃんの、その後
高校に進学した後、塾には一度顔を出して遊びにきてくれました。
「高校でもがんばっているかな」
と思っていたところ、同じ学年だった、別の塾の生徒から、
「さっき駅でMちゃんに会ったのですが、(高校の)数学のテストが『10点だった~』と言っていました」
という報告を受けました。
受験が終わったら、すぐこれだよ…。
まだまだ幼い部分もありますが、これから先、自分の人生を自分の力で切り開いていってほしい。
そう願っています。
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