「中学の数学がわからないのですが…」
2022/12/13
「中学の数学がわからないのですが…」
このような悩みを持って、塾に来るお子様は多いです。
実際にテストを見せてもらうと、確かに数学の点数が悪い。
そのような生徒さんを見る場合、まず「計算がどのくらいできるか」という点から確認していくようにしています。
すると、「ある事実」に出くわします。
最初の方はいいのだが…
計算は、中1で習う正負の数からチェックしていきます。
文字式、方程式、単項式・多項式、連立方程式。
中2までのお子様であれば、だいたいこのあたりの計算を確認します。
正負の数や文字式の計算は、「だいたい問題ないかな」という感じで進みます。
問題は「方程式」です。
加減法、代入法を使った基本的な方程式。こちらもだいたい解けます。
その次に「小数・分数の方程式」を解きます。
ここでつまづきます。
解き方がきちんと身についている子であれば
「小数、分数を整数に直してから計算」
という手順を知っています。
ですが、「数学が苦手」という子の多くは「小数、分数のまま」で計算をしています。
「小数、分数の方程式の計算」が正しくできるかどうか。
ここが、1つの判断基準になります。
「中学の数学」よりも…
「小数、分数の方程式」の解き方を知らない生徒については、基本的なところからもう一度やり直します。
ここが理解できていなければ、中2で習う「連立方程式」の計算もできません。
「小数の方程式」については、それほど複雑な計算ではありません。
なので、あまり時間をかけることなく、一通り理解できます。
問題なのは「分数の方程式」です。
ここで、「ある事実」が判明します。
分数も小数の場合と同じように「整数」に直してから計算します。
ですが、
「分数のかけ算」のやり方がわからない
ため、整数に直せない。
そういったお子様が多いです。
例えば
1/2x + 1/3x = 5
という方程式があるとします。
整数の形にするには、両辺に最小公倍数の「✕6」をすればいいです。
ですが、この時に出てくる
「1/2✕6」「1/3✕6」
の計算のやり方がわからない。
そのため、ここで固まってしまいます。
そこで、まずは「分数✕整数」の計算のやり方を説明します。
何となくわかった感じにはなるのですが、さらに進めると、今度は
「最小公倍数」の意味がわかっていない
という事実が見つかります。
「『最小公倍数がわからない』ということは、分数の通分計算もできないよな」
と思って確認してみると、やっぱり分数の足し算ができない。
1/2+1/3=2/5
という計算を平気でしてしまう。
「そりゃ、中学の数学はわからないよな」
と思ってしまいます。
「分数✕整数」も「分数の通分」も「最小公倍数」も、すべて「小学校の算数」で習う内容です。
「中学の数学がわからない…」
という悩みで塾に来ますが、確認していくと、結局
「小学校の算数がきちんと身についていないから解けない」
という事実に出くわします。
分数の計算ができないと、数学もそうですが、理科の計算もできません。
英語や社会の問題でも「グラフ」を使った問題では、計算する際に分数を使うかもしれません。
いくら「中学の数学」を繰り返し練習しても、根本的な解決になりません。
なので、こうしたお子様を指導する場合は「小学校の算数からやり直し」です。
意外に多い「分数ができない子」
塾の仕事をするようになって感じるのですが、
「小学校の算数ができない」
という子供は、大人が想像している以上に多いです。
特に「分数の計算ができない」というお子様は、実は全体の1~2割くらいいるんじゃないかな、という気がしています。
「小学校の算数が大事」と何度も訴えているのは、実はこうした現実があるからです。
ちなみに、このような「分数の計算が苦手」な生徒も、繰り返し練習していくうちに、一通りの計算はできるようになっていきます。
それゆえに、
「小学校の時に、なんでもっとしっかりやっておかなかったんだ…」
という思いにとらわれます。
繰り返しになりますが、小学生、特に5,6年生のお子様については、「計算」をチェックしていただくことをオススメします。
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