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「裏技」を教えたところで

2022/12/21

みんな苦手な「おうぎ形」

安曇野市の中1の数学では、「おうぎ形」の計算に入ってきています。

この「おうぎ形」の計算、かなり厄介です。

まず「公式がややこしい」です。

おうぎ形の「孤の長さ」「面積」を求める公式ですが、円周率を表す「π」だったり、半径を「r」で表すだったりと、文字が入り組んでいるので、ややこしく感じる生徒が多いです。

また、「おうぎ形の公式」は小学校で習っている「円周の長さ」「円の面積」を求める公式が基礎となっています。

ただ、この部分がすでにあやしい生徒もいます。

こうした理由から「公式をなかなか覚えられない子が多い」というのが原因に挙げられます。

次に「計算が複雑」です。

公式を何とか覚えたとしても、次に答えを求めるまでの計算がややこしいです。

公式に当てはめるだけの計算であれば、何とかなります。

ですが、次の段階として、先に「孤の長さ」「おうぎ形の面積」がわかっていて、「半径」や「中心角」を求める計算問題が出てきます。

この場合、「方程式」の考え方で解かなければなりません。

ですが、このあたりになると「どこの数字を求めればよいのか」がわからなくなり、混乱に陥ります。

さらに、この方程式は、かけ算でできているので、「かけ算の移項」のやり方がよくわからず、途中で挫折する子が多いです。

こうした理由から、おうぎ形の計算問題はなかなか解けるようになりません。

簡単に解ける方法はあるが…

ややこしい「おうぎ形の計算」ですが、面積に関しては、簡単に解ける方法があります。

「半径の長さ」と「孤の長さ」がわかっていれば、

おうぎ形の面積=1/2✕半径の長さ✕孤の長さ

で求めることが出来ます。

いちいち「おうぎ形の公式」に当てはめて計算するよりも、簡単に面積を導き出すことができます。

ですが、この解き方を教えても、ほとんどの生徒が使いこなせません。

教えた「直後」はいいのだが…

生徒に指導を始めた当初は、

「簡単な式で求められれば、苦手な子も解けるようになるだろう」

と思い、簡単に解ける方法を教えていました。

教わる生徒の方も、簡単に解けるし、面倒な公式も覚えなくて済むので、喜んで「簡単に解く」解き方をやっていました。

教えた直後はそれでよかったです。

ですが、時間が経ち、テストが近くなって、確認のためにおうぎ形の面積を計算させてみても、解けない。

なんとなく「この数字」と「この数字」を計算すればいいことはわかる。

でも、それをどのように計算すればいいのか、またそれをやることで、どこの答えが出てくるのか。

その部分がわかっていないので、答えを導き出せない生徒が続出しました。

こうした経験があったので、今は公式を使った、まわりくどい解き方で教えるようにしています。

こちらの方が苦戦しますし、なかなか解けるようになりません。

ですが、一度解けるようになると、後々になっても忘れないようになります。

長い目で見れば、こちらの方が速い。

そう思うので、基礎的なやり方でみっちりと練習してもらうようにしています。

「悪銭身につかず」

「悪銭身につかず」ということわざがあります。

ラクをして稼いだ金は、失うのもまた速い、という意味です。

これと同じことが、勉強でも言えます。

結局「ラクをして身につけたやり方」は「失うのもまた速い」ということです。

「派手な解き方」
「簡単なやり方」

のような「裏技」は、生徒のウケは非常にいいです。

簡単に自分ができるようになった気分になれるからです。

ですが、そうした感覚も「一瞬」です。

「生徒が自分自身の力で解ける」ようにしなければ、なんの意味もない。

私はそう考えています。

なので、うちでは、ゴリゴリと基本的な公式を使って問題を解いてもらうようにしています。

「何事も、ある程度苦労しないと手に入らない」

勉強を通じて、そのことを知ってもらえればと思います。

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