「教科書」を使い倒す
2023/1/10
昨日紹介した「プレジデントファミリー」。
この中で「読解力を高める方法」として、
「教科書を音読する」ことが挙げられていました。
「なるほどな」と思ったので、その点についてお話ししようと思います。
教科書音読の効果
「プレジデントファミリー」では、「教科書音読」の効果として、
「理解していないところがわかる」
という点を挙げています。
「音読してつっかえてしまうところは、大抵理解できていないことが多い」
ということです。
音読をさせることによって、子どもがどの部分を理解できていないのかがわかる。
特に小学生にとっては、教科書に書かれている言い回しで、理解できないものがあります。
そうした部分を把握するために、音読は有効だということです。
また、教科書には「定義文」や「新しく出てきた言葉の説明」が豊富に掲載されています。
それらをきちんと理解することで、読解力が鍛えられる、とも述べられています。
確かに、生徒を指導していても、「言葉の定義」がきちんとわかっていないため、理解があやふやになっている、と感じることがあります。
たとえば「時速」。
教科書には
「1時間あたりに進む道のりで表した速さ」
と表記されています。
こうした言葉の「定義」をきちんと把握せず、ただ何となく
「速さ=道のり÷時間」
という公式だけ覚えている生徒が多いです。
こうした生徒の場合、「公式」を忘れてしまうと、まったく問題が解けなくなってしまいます。
こうしたことを避けるために、塾では
「時速って何を表しているの?」
と聞くようにしています。
きちんと理解できている子は「1時間に進む距離」と答えられますが、理解できていない子は詰まってしまいます。
ただ公式を教えるだけでなく、
「その計算で出てきたことが、何を表しているのか」
という部分を意識させる。
そうした意味で「教科書を音読する」というのは、非常に効果的だと思います。
数多くの問題集があれど
生徒を指導していて感じるのは
「もう少し、教科書を有効に使えばいいのに…」
ということです。
今は色々な問題集が出ています。
装丁も凝っているものが多く、手に取るとワクワクするような、魅力的なものが多いです。
ですが、「学力を上げる」という部分から考えると、「教科書」に勝るテキストはなかなかない、と思っています。
このように有効な「教科書」というものを活かせず、色々なものに目移りしてしまっている、というのが、生徒を見ていて感じます。
私が学生の頃は、あまり問題集も種類がなかったです。
また、田舎であったこともあり、そんなにあれこれとやるものがありませんでした。
なので、「教科書」をなんとかするしかなかったのですが、それでも結構実力はつきました。
特に英語に関しては、あまり問題集を解いた記憶はありません。
ひたすら「教科書」を使って勉強していました。
まずは、教科書に載っている英単語を覚える
↓
次に、新しい文法が使われている基本文を覚える
これをひたすら繰り返していました。
そのうち、学校の進みが遅くてなかなか先に進まなくなるので、やることがなくなって飽きてきます。
なので、「教科書本文」を片っ端から覚えていきました。
そうやって教科書の本文を覚えていくと、単語として覚えたものが
「なるほど、文としてこのように使われているんだな」
ということが理解でき、単語を使いこなせるようになっていきました。
このような感じで英語はひたすら教科書を中心に勉強していましたが、特に英語で困ることはありませんでした。
むしろ「これ教科書に載ってた表現じゃん」という感じで、テストや模試でも解答できていました。
そうやって英語を鍛えてきた自分から見ると、今の生徒たちは、「上っ面」ばかり勉強しているような感じがして、とても歯がゆく思います。
「『難しい』『できない』とガタガタ言う前に、まずは英文の1つでも覚えろ」
というのが、正直なところです。
まあ本音を言うと引いちゃうので、優しく指導していますが。
王道は「教科書」
入試問題を解いていても、
「これ、教科書に載っていた内容だな」
と感じることが多いです。
その度に、
「入試問題は、教科書を参考にして作っているんだろうな」
ということを強く感じます。
「入試対策」という意味でも、「教科書」を有効に使うことが大事です。
上手に教科書を使っていってほしいな、と思います。
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