「速く解く」のはいいことか?
2023/2/22
塾では、それぞれの生徒の学力に応じて、毎回の課題を決めています。
「この生徒の学力であれば、問題を解くのに、だいたいこのくらいの時間がかかるだろう」
というのを想定しながら、1回の授業で進める内容を決めています。
多くの生徒は「想定内」、あるいは「想定よりも、やや時間がかかる」という感じで進んでいきます。
ですが、たまに
「想定よりもかなり早く終わる」という生徒がいます。
このような生徒は、残念ながら伸び悩みます。
一見すると「解けている」が…
通常の場合、生徒が「間違えているところ」、あるいは「空欄になっているところ」があります。
そうした部分が「理解できていない」ということがわかるので、その部分を説明することで、修正していくことができます。
ですが、「解くのが速い」生徒の場合は、「ある程度解けている」ことが多いです。
そのため、パッと見たところでは
「一通り理解できているかな」
という判断になります。
ところが、突っ込んで確認してみると、きちんと理解できていません。
「表面的な理解」で留まっています。
共通点は「読まない」
こうした「解くのが速すぎる」生徒に共通しているのが、
「『例題』あるいは『解説』をよく読んでいない」
という点です。
問題を解く一番の目的は、
「学んだことに対して、きちんと理解ができているかを確認する」
という点です。
「解くのが速すぎる」生徒は、この部分の意識が低いです。
「解く」ことが目的となってしまっていて、「理解」することをしていない。
そのため、ちょっとひねった問題になると、途端に対応できなくなってしまいます。
「目的意識を持って取り組む」ように言いますが、なかなかそうはなりません。
中途半端に解ける生徒に多い
困るのは、こうした「解くのが速すぎる」生徒というのは、「そこそこ問題が解ける」だけの実力があります。
なので、「簡単な問題」であれば、それなりに対応してしまいます。
ですが、入試問題のような
「考えさせる問題」
になると、太刀打ちできなくなります。
「なぜそうなるのかを考える」習慣が身についていないからです。
「もう少しじっくり考えながら解くようにすれば、もっと伸びるのにな」
と思ってアドバイスするのですが、なかなか修正されません。
その結果、志望校を1ランク、2ランク下げて受験することになります。
こうした部分を改善したいのですが、なかなかうまくいかないのが現状です。
小さいうちは「じっくり考える」ことも必要
なので、小学生のうちは、ある程度時間がかかっても
「じっくり考えながら解く」
ようにした方がいいと思います。
小学生のうちは、内容が簡単なので、速く解けてしまうこともあるかと思います。
ですが、ただ速く解いたとしても、「考える」習慣がついていなければ、大きくなるにつれて、成長が止まります。
それよりも、多少時間はかかっても「なぜそうなるのか?」を自分なりにじっくり考えながら解く。
そうした生徒の方が、後になって伸びると思います。
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