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「機械的に解く」ということ

2023/5/16

生徒の計算を見ていると、

「こんな基本的な計算で、なぜこんなに多くの生徒が間違える!?」

と思うことがあります。

つい最近も、起こりました。

一次方程式にて

過去問を使って、計算の練習をしていたところ、「一次方程式」の計算問題がありました。

「7x-2=x+1」

という問題です。

ごくごく基本的な、方程式の計算問題に見えます。

ですが、この問題で、びっくりするくらい多くの生徒が間違えます。

答えは「x=1/2」となるのですが、これを「x=2」として間違えます。

なぜそのようになるのかというと、元の式を移項した時の形が

7x-2=x+1

6x=3

という形になります。

この時に、「6」「3」と言う数字の並びから、何も考えずに「x=2」と答える生徒が多いのだと思います。

正しくは、「等式の性質」から、両辺を「÷6」できるので

6x÷6=3÷6

x=1/2

と考えなければなりません。

このように「等式の性質」を使って考えることができない生徒の、なんと多いことか…。

この問題、おそらく今の中学2,3年生に解かせたら、半分以上は間違えると思います。

そのくらい、できない。

ラクな方に流される

一次方程式の計算を習う際に、最初に

「等式の性質」

について学びます。

「等式の両辺について、同じ数を足しても、引いても、かけても、わっても、結果は変わらない」

というものです。

方程式の「本質」ともいえる考え方ですが、ここをきちんと押さえられる生徒が、あまりにも少ない。

その後に習う、「移項」を使った計算の方が、「機械的に」解くことができるので、速いし、ラクです。

この「ラク」な方法に慣れきって、

「本質的なところから考える」

ことを放棄するために、今回のような基本的な計算で、あっさり間違えるのだと思います。

このような状況になることはわかっているので、1年生に方程式を教える時には、

「等式の性質は大事だから忘れない」

「なぜ、そのような移項ができるのか、という理由を常に考える」

ということを、繰り返し言っています。

それでも、できない。

中3になって、過去問の計算をやる中で、こうした方程式の間違えをすると、私はかなり不機嫌になります。

「中1の時から、こういう間違えをするなと、散々言ってきているよね?」

と。

それを繰り返して、入試本番が近くなってきて、初めて解けるようになる。

そのような感じです。

「本質」を考える

よく

「勉強の楽しさを知ってほしい」

という保護者の方が言います。

ただ、「勉強の楽しさ」とは一体何なのでしょうか?

「高得点を取ること」

なのでしょうか。

「偏差値の高い学校に進学すること」

なのでしょうか。

私は、違うと思います。

勉強の楽しさとは、

「その教科が持つ、本質的な内容から、自分で組み立てながら考える」

ことにあるのだと、思っています。

数学においては、基本的な原理原則(公式)を使って問題を解くこと。

もっといえば、公式についても

「その公式は、どうして成り立つのか?」

といった、根源的な部分に対して疑問に思い、追求する姿勢。

そうした部分が、真の意味での勉強の「楽しさ」なのではないか。

そう思っています。

なので、私は、あまり「テクニック」的なものを教えないようにしています。

そもそも教えたところで忘れるし、そうしたテクニックを身につけたところで、

「勉強の楽しさ」

というものに到達することはないと思っているからです。

「ラクして身につけたものほど、失うのもまた速い」

生徒たちには、このことを知っておいてほしいと思います。

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