塾講師の醍醐味

中１のある生徒。
数学が苦手な子。
本人に強烈な苦手意識。
おまけに学校の先生とは
反りが合わないときている。
教えた通りに
途中式は丁寧に書いて
解いているのだが、
なかなか思うように答えが合わない。
イライラするのだろうか、
時々投げやりな態度を取っていたので、
その都度粘り強く指導してきた。
その子の様子が今日はちょっと違った。
まず、テスト結果。
点数は下がっていたのだが、
平均点が全体で大きく下がっていた中で
そこまで下がっていなかったので、
順位が２０位くらい上がっていた。
それを見て、とても嬉しそうにしていた。
勉強したのに点数が下がっていたので、
頑張った意味がない、と感じていたのだろうが、
順位は上がっていたので、
努力は無駄ではなかった、と思ったのだろう。
また、方程式の文章題を解いた時。
以前は文章題は全くできなかったのに、
今日やった内容はスラスラと解けていた。
これで気を良くしたのか。
以前間違えた文章題をもう１回解かせてみたら、
こちらも解くことが出来た。
「元々国語が得意な子なので、
文章題は解けるはず」
という読みが当たった。
宿題に出していた計算問題も
よく解けていたし、
びっくりするような進歩。
子供が壁を乗り越える瞬間に出会える。
これこそが塾講師の醍醐味。