世に「子育て論」は数あれど
2020/9/30
保護者の方とお話ししていると
「家庭学習をどのようにすればいいのか?」
という悩みを聞きます。
悩んでいるお母様の多くは
ご自身で色々と勉強されていると感じます。
有名な方の本を読んでみたり、
評判のよい教材を使ってみたり、
いいと言われていることを実践してみたり…。
でも、我が子は自分の期待通りにならない。
そこで悩んでいる気がします。
私も教育に関する本、評判のいい教育法、
その他色々な指導法を学んでいます。
「素晴らしいな!」と思うことがほとんどです。
ただ、一方で、お話しされているような
劇的な変化や向上が見られるかと言えば、
実はほとんど効果がない、
というのが現実であったりします。
生徒一人一人、個性も違えば置かれている
環境が違います。
育ってきた環境も違います。
そうした「個」に対して
「こうすればよくなる!」という
特効薬のようなものはないな、
というのが、色々な生徒を指導してきて思う、
率直な感想です。
「人間ひとりのあり方、考え方を変えるのは
相当な時間と労力が必要。
だからマンツーマンで指導する必要がある。」
トヨタ自動車の元技監、林南八さんのお言葉です。
個人的にはこの考え方が一番しっくりときます。
小・中学生といえども、一人の人間です。
その人間の「心の持ちよう」を変えるというのは
どれほど大変なことか。
それは日々、生徒を指導していて痛感することです。
悩んでいるお母様の多くは、
「学んだ通りにやっているんだけどな…」
という思いを抱いているように思います。
ただ、たとえ血を分けた子供であっても、
一人の人間であり、一人の人間の「あり方」を
変えるというのは難しいことなのだと思います。
では、何もしなければいいのか、
というとそういうわけでもないと思います。
特に男の子は「紐の切れた風船」のような
ものなので、放っておけばずっと
ふわふわとしたままのように思います。
なので、ある程度の「強制力」を
働かせるのはやむなしだと思います。
ただ、やみくもに「勉強しろ!」というのではなく、
「習慣化させる」ということを意識して
いただくといいかな、と思います。
色々な本を読んでいて思うのですが、
成長している人に共通しているのは
「習慣化に成功した」という点です。
「人間が成長するには『習慣化』させるしかない」
という言葉を聞いたことがあります。
私もそう思います。
勉強する時間を決める。
その時間になったら必ず勉強する。
習慣化には最低でも3ヶ月はかかると
言われていますが、
多くの人が、習慣化する3ヶ月を前に
脱落しているように思います。
言うことを聞かない子供に
3ヶ月も付き合うのは大変だと思います。
でも、まずはそれをやりきらないと
なかなか子供の家庭学習のあり方が
変わるということはないのかな、
と思います。
結局、我々大人にできることは
「ひたすら言い続けること」。
あきらめずに言い続けることによって、
いつか生徒の心に変化が起こる。
その時が来るまで、信じて言い続ける。
これに尽きるのかな、というのが、
最近の私の考えです。