公立中学の英語教育は、「破綻」の危機
2025/6/3
プレジデントFamilyより
定期購読している「プレジデントFamily」

この中で、このような特集がありました。

「中学英語が大変!学校で何が起きているのか」
公立中学の英語の授業、生徒の様子が描かれているのですが、
「我が意を得たり!!」
という内容でした。
「極端な難化の影響で生徒の学力が二極化するなど、公立中学の英語教育は破綻の危機にある」
との見出しがありましたが、まさにその通りだと思っています。
覚える英単語は、倍以上
現在の中学生に求められている「英単語数」は「2500語」だそうです。
5年前に教育指導要領が大きく変わった影響ですが、それまでは「1200語」でした。
つまり、今の中学生は以前の中学生の「倍以上」の英単語を習得しなければなりません。

ちなみに、「中学生の親世代」が求められた英単語数は「1000語」程度。
私はこの世代に当てはまりますが、確かに「1000語」を目標にやっていた記憶があります。
親世代からみれば、2.5倍。
これだけの「英単語数」を、今の中学生は覚えなければなりません。
実際に生徒を指導していても、
「中学生で、こんな単語まで覚えなきゃいけないの?」
という単語がバンバン出てきます。
「二極化」が拡大

次に実力の「二極化」が問題点として挙げられています。
「小学生時代から塾に通うなどして訓練を受けた生徒」
と
「何もせずに中学に入り、英語の授業に最初からついていけない生徒」
と、完全に二極化している。
これも、生徒を指導して感じられることです。
元々、英語に関しては実力が「二極化」する教科ではありました。
ですが、ここ数年、「その格差が拡大」している印象です。
中学生のうちに、英検準2級や2級を取る生徒が増えてきている。
その一方で「be動詞」「一般動詞」の違いがわからずに、
「I am play soccer.」
という英文を中3になっても書くなど、ずっと混乱している生徒がいる。
英語ほど「各家庭の経済格差」を感じずにはいられない教科はありません。
小・中学校の連携が取れていない

個人的に一番衝撃だったのはここです。
「小学校の教員は本記事で触れた公立中学の『英語地獄』に苦しむ生徒の現状をほとんど知らない」
「いや、マジか…」
と、思わず声に出してしまいました。
「そもそも小・中での教員同士の連携が取れていない」
とのこと。
確かに、今の学習指導要領になって数年経っているのですが、まったく小学校の英語教育が変わらないので、
「中学で苦しむのがわかっているのだから、もう少し小学校の英語で、身につけさせておいてくれよ…」
と思っていたのですが、そもそも「そうした状況を知らない」のであれば、無理もありません。
納得もし、軽く怒りも覚えましたが、ただ小学校の先生も、中学校の先生も、昔と比べて今はやるべきことが多すぎる。
「目の前の生徒を何とかすることで手一杯」
なので、とても連携を取っている余裕などない。
そう考えると、今の状況は仕方のないことなのかな、と思いました。
ただ、それによって影響を受けるのは「子供たち」であることは、考えなくてはいけないと思いました。
英語を鍛えるには「国語」

そして、一番強調したい内容が載っていたので、そちらも紹介しておきます。
「英語という外国語を学習するには母国語が大事です。語彙力、文章読解力、漢字の成り立ち・文法構造の理解。まず、日本語がしっかりしていなければ英語力は伸びません」
私が常々感じていたことは、他の先生も感じられていた、ということで、
「自分の感覚は、間違っていなかった」
ということを、改めて思いました。
「英語を学びたいのですが…」
と言って、塾に来られる小学生がいらっしゃるのですが、最初に
「国語の実力」
を聞きます。
そして、国語の力が不十分なお子様に対しては、まず
「国語」(漢字)の練習をした方がいい
とアドバイスしています。
ほとんどのご家庭はそれで納得していただけます。
が、今後もし、「それでも英語をやりたい」と言われた場合には、別の英語の塾に通うようにオススメすると思います。
「定着しない」
とわかっている生徒を教えるようなことは、いくらお金のためでもしたくないな、と思うからです。
「儲かるからいい」でいいのか?
今の英語を取り巻く環境は、塾屋としては、願ってもない「ビジネスチャンス」です。
「小学校は何もしてくれませんよ~」
「中学に入ったら、いきなりつまづきますよ~」
「事実」なので、それをちょっと煽れば、生徒を獲得できる。
正直に言えば、私自身も、小学生の生徒の保護者には、実際にそうやって「煽り」を言っていることが、ないといえば嘘になります。
ですが、その一方で、
「なんだかな…」
と思う自分もいます。
塾屋というのは「子供たち」に食わしてもらっている存在です。
そもそもの成り立ちが子供たちの「苦しみ」を取り除くために存在している、とも言えます。
なので、今の「英語の苦しみ」を取り除くために、塾に通っていただくというのは、悪いことではない。
ただ、「抱えられない負担」を小学校、中学校、子供たちが押し付けられている。
その「おこぼれ」をもらうような、今の英語を取り巻く環境は、ちょっと違う。
そう感じています。
数年後には、学習指導要領が改定されるはずです。
「現場の声」というものをしっかりと聞いて、状況が改善されることを、一塾屋としては願うしかありません。
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