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猿田塾

今の「学習指導要領」は適切なのか?

2025/12/24

広がる学力の差

中1に英語を指導していると、

「着実に『学力格差』が広がっているな…」

ということを実感します。

特に感じるのは

「英単語を読ませる」

時です。

一定の学力がある生徒は、一度一緒に英単語の読み方を確認すれば、だいたい読み方を理解します。

一方、学力が低い生徒は、英単語が正確に読めない。

最初に読み方を確認し、単語を覚える練習をし、その後にもう一度単語の読み方をチェックする。

それでも読めない。

以前もそうしたことはありましたが、ここ数年で、

「英単語を見て、パッと読み方が出てこない」

生徒が急増しているように思います。

つい先日も「other」という単語が出てきたのですが、「オザー」と読む生徒が続出しています。

「以前はこんなに間違えなかったけどな…」

と思いつつ、最近は「ほら、また間違えた」と思うようになっています。

新「学習指導要領」の成果

今の小中学生は、新しくなった「学習指導要領」の下で学んでいます。

現在の「学習指導要領」では

「英語を話せる人を増やす」

という目的の下で行われていると記憶しています。

「英検の取得者が増えた!」

という報道があり、それをもって

「英語力の向上はなされている」

という評価を、文部科学省はしているような気がします。

ですが、実際に現場で指導している立場からすると、今の「学習指導要領」になったことで、

「英語の能力が低い生徒が増えた」

という気がしています。

というよりも、

「生徒の学力が全体的に低下している」

という感じがしています。

理念は立派だが…

今の「学習指導要領」では

「思考力、判断力、表現力」

を伸ばす、ということが重視されています。

これまでの日本の教育が「暗記」ばかりにこだわり、「答えのある」問題ばかりの対処をやっていた。

そのため、現代のような「答えのない」時代に対応できない若者が増えた。

そのため、

「自分の頭で考え、判断することができる人材を育てる」

ということで、自主性を重んじる「学習指導要領」に改訂されました。

理念は立派だと思います。

ですが、その結果がどうなったのか。

私の実感としては

「元々勉強に熱心な一部の層(少数)は着実に実力をのばす。その一方で大多数の層は『放置』され、実力が身につかないままでいる」

「その結果、『学力格差』が広がっている」

という気がします。

今の「学習指導要領」は上の層、学力優秀層には響くと思うのですが、その他の大多数の「普通~低学力の層」に対する視点が乏しい。

そのように感じています。

「答えのない問題」には、「思考停止」

例えば、

「答えのない問題に対して、子どもなりに考えて自分の意見を述べる」

という課題があります。

こうした課題を目の前にした時、いわゆる「普通の学力の子ども」がどのような反応を示すのか。

「固まったまま、思考停止」

これが現実です。

いくら周りで、

「自分なりの考えを言ってごらん」
「間違っていてもいいから言ってみよう」

とうながしてみたところで、子どもたちは固まったまま、動かない。

これでは学校の授業は進まないので、一部の「自分の考えが言える」生徒が、集中的に自分の意見を述べる。

そうした状況になっているように思います。

特に学力が低い生徒を指導していて感じるのですが、

「答えのない問題」

に対して、子どもたちは非常に恐怖心を抱きます。

なので、こうした課題をいくらやらせてみたところで、子どもたちの

「思考力、判断力、表現力」

は育たない。

むしろ、小中学生の時期に身につけておくべき基礎的な素養を身につけることを怠っているので、それすらもできなくなってきている。

先に挙げたotherを「オザー」とよんでいる子どもたちは、こうした教育の結果なのではないか。

そのようなことを感じています。

単に「学習量」が足りないだけ?

日本人が英語を話せないのは

「読み、書き」を中心とする、旧態依然とした英語教育のせい

という意見があります。

確かに、そうした側面はあるのかもしれません。

ですが、私自身の感覚としては、

「単純に英語を習得するだけの学習時間が短いだけ」

という気がしています。

日本語と英語はまったく異なる言語圏に属するため、習得するのにかなり時間がかかるようです。

「中学、高校と一生懸命英語を勉強したのに、まったく身につかなかった」

という意見があります。私も正直、そのような感覚でした。

ですが、実際には

「中学、高校で勉強したくらいの英語学習量では、一般的な日本人が英語を話すようにはなれない」

というのが、実は本当なのではないか。

そのような気がしています。

今までの「英語教育」の効果

子どもたちの学力は「バラバラ」です。

そうした「バラバラ」な学力の子どもたちに対して、

「とりあえずは、このような方針でやっていけば、多くの子どもたちが英語を理解することができる」

という「最大公約数」的な英語勉強法。

それが、これまでの

「読み、書きを中心とした英語教育」

だったのではないか。

最近は、そのような気がしています。

いずれにしても、今の「学習指導要領」には問題点が多いと感じています。

数年後には、また大きな改訂がなされることと思います。

その際には、

「現場で教えている先生方の声」

を反映したものであってほしい。

そう願っています。

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