国語力を鍛えなければ、英語も伸び悩む
2026/8/17
英文和訳と「国語力」
夏期講習では、受験生が取り組んだ英文和訳をチェックしています。
生徒たちの訳を見ていて感じるのは、英文を上手に日本語へ直せる生徒は、国語力も高いことが多いということです。
反対に、英文をうまく訳せない生徒は、英語だけでなく、国語にも課題を抱えていることが少なくありません。
もちろん、英単語の意味が分からずに訳せないこともあります。
しかし、単語の意味を知っているにもかかわらず、文全体の意味が通らない訳になってしまうケースも多くあります。
単語は、いつも同じ意味ではない
英単語には、複数の意味があります。
また、辞書に最初に載っている一般的な意味をそのまま当てはめても、文章の流れに合わないことがあります。
国語力のある生徒は、前後の文を読みながら、
「ここでは、いつもの意味では不自然だ」
「この場面では、別の日本語に置き換えた方がよい」
と考えることができます。
そして、覚えている単語の意味を少し変換し、文章全体として意味の通る日本語に直します。
一方、国語力が十分でない生徒は、単語帳などで覚えた意味をそのまま書く傾向があります。
前後の内容と合っていなかったり、文の意味が通じなくても、他の日本語が思い浮かばないため、とりあえず覚えている意味を当てはめる。
その結果、何を言っているのか分からない訳になってしまっています。
語彙力がなければ、適切な日本語を選べない
厳しいのは、国語力がない生徒は、
「自分が訳した文の意味がおかしい」
ということに、気づけていないと感じられることです。
国語力のある生徒は、文の意味が通じない訳をすると
「なにかおかしい…」
と感じて、文の意味に沿うように、何とか修正しようとする意思が見えます。
一方、国語力のない生徒は、意味が通じなくても
「とりあえず単語帳で覚えた単語の意味を当てはめられたから、OK」
という感じで、自分の訳のおかしさに気付けていないような印象を受けます。
国語力が低い生徒は、日本語の語彙力も不足していることが多いように感じます。
英単語の意味を理解していても、それに対応する日本語を一つしか知らなければ、文脈に合わせて言い換えることができません。
例えば、英単語の意味として覚えた日本語が、その文章では少し硬すぎる場合もあります。
反対に、より抽象的な意味で使われていることもあります。
そのようなときには、文章の流れを考えながら、より適切な日本語を探さなければなりません。
この作業には、英語の知識だけでなく、日本語の語彙力や読解力が必要です。
つまり、英文和訳とは、英語を日本語へ機械的に置き換える作業ではありません。
英文の内容を理解し、それを意味の通る日本語として組み立て直す作業なのです。
高校英語では、さらに国語力が必要になる
高校入試程度の英文であれば、単語を順番に並べるような訳でも、ある程度は内容を推測できるかもしれません。
しかし、高校に進むと英文の抽象度が上がります。
その段階になると、単語や文法が分かっていても、自分で作った日本語訳の意味が理解できない、ということが起こります。
英文を日本語に置き換えることはできた。
しかし、その日本語が何を表しているのか、自分でも分からない。
これは、英語力だけではなく、日本語で抽象的な内容を理解する力が不足しているために起こります。
英語を伸ばしたいのであれば、英単語や英文法だけを勉強すればよいわけではありません。
国語の学習も、同時に進める必要があります。
英語力の土台には、国語力があります。
英文を正確に読み、意味の通る日本語として理解するためにも、英語と一緒に国語力を鍛えてほしいと思います。
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