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「信の世界に偽詐(ぎさ)多く、疑の世界に真理多し」

2026/9/15

「学問のすすめ」

最近、『学問のすすめ』を読んでいます。

AIが急速に進化し、これから先の社会がますます見通しにくくなっている今、

「これからの子どもたちに、どのような教育をしていけばいいのか」

ということを、一度原点に戻って考えてみる必要があるのではないか。

そんなことを思い、この本を手に取りました。

恥ずかしながら、私はこれまで『学問のすすめ』をきちんと読んだことがありませんでした。

知っていたのは、

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」

という有名な言葉や、

「世の中に賢い人とそうでない人との差が生まれるのは、学問をしたかどうかによる」

といった内容くらいです。

ところが、実際に読んでみると、現代にもそのまま通じるような話が非常に多く、考えさせられました。

印象に残った言葉

中でも特に印象に残ったのが、

「信の世界に偽詐(ぎさ)多く、疑の世界に真理多し」

という言葉です。

簡単に言えば、

何でも信じてしまう世界には間違いが多く、疑うことから真理が見えてくる

ということだと思います。

本の中では、盲目的に何かを信じてしまうことの危うさが語られています。

例えば、家相を見る人の言葉を信じ切ってしまい、せっかくの良縁を逃してしまう。

あるいは、熱病にかかっているにもかかわらず、医者に診てもらわず、ひたすら阿弥陀如来にすがり続ける。

「信じる」という行為そのものが悪いわけではありません。

しかし、何の疑問も持たず、ただそのまま受け入れてしまうことで、結果として大きな不利益を受けることがある。

一方で、人類の進歩は「疑うこと」から生まれてきました。

「本当に太陽が地球の周りを回っているのか」

と疑うことによって、地動説へとつながっていく。

「なぜリンゴは下に落ちるのか」

という現象に疑問を持つことで、重力という考え方へとつながっていく。

それまで当然だと思われていたものに対して、

「本当にそうなのか?」

と疑問を持つ。

そこから新しい発見が生まれる。

福沢諭吉の言う、

「疑の世界に真理多し」

とは、そういうことなのだと思います。

AIとの付き合い方

そして、この言葉を読んだ時、私は

「AIとの付き合い方」

が思い浮かびました。

今では、AIに質問すれば、瞬時に回答が返ってきます。

非常に便利です。

ただ、ここで最も危険なのは、

AIの答えを、正しいものとしてそのまま受け入れてしまうこと

ではないでしょうか。

AIに聞けば答えが出るのだから、自分で考える必要はない。

このような使い方を続けていけば、ラクにはなるでしょう。

しかし、その一方で、自分自身の「考える力」は着実に弱くなっていくと思います。

AIを使っているつもりが、

AIに使われる人間

になってしまう可能性もあります。

反対に、AIが出した答えに対して、

「本当にそうなのか?」
「自分の考えとは少し違う」
「別の見方もあるのではないか」

と考えることができる人は、AIを非常に強力な道具として使うことができます。

「AIに答えを出してもらって終わり」ではなく、その答えを土台にして、さらに自分で考える。

こうした使い方ができれば、AIは人間の思考を奪う存在ではなく、むしろ思考を深める道具になるはずです。

つまり重要なのは、

AIを使うか、使わないかではない。
AIの答えを「信じるだけ」なのか、それとも一度「疑う」のか。

そこに大きな違いがあるように思います。

これからの教育でも、この姿勢は非常に重要になるような気がしています。

自分の頭で考える

今後、子どもたちは、私たち以上にAIを当たり前に使う世代になります。

その時に必要なのは、

「AIを使ってはいけない」

と、ただ禁止することだけではないと思います。

むしろ、

「その答えは本当に正しいのか」
「なぜそうなるのか」

と問い直す習慣を身につけさせることではないでしょうか。

AIに丸投げして終わりにするのではなく、

まず疑い、自分の頭で考える。

これは、AI時代の今だから必要になった、新しい考え方ではありません。

福沢諭吉が100年以上前に、すでにその重要性を指摘していたとも言えます。

「信の世界に偽詐多く、疑の世界に真理多し」

この言葉は、AIが日常に入り込んだ現代にも意味を持つ、大事な言葉のように感じました。

福沢諭吉の言葉の中に、

「AI時代を生き抜くための大きなヒント」

があるように思いました。

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