「人を変える」のではなく
2026/10/20
管長日記
毎朝、YouTubeで円覚寺の横田南嶺管長のお話を聞いています。
先日、その中で印象に残った話がありました。
横田管長のご友人のお坊さんのお話です。
このお坊さんは、座禅をなされています。
ある朝、そのお坊さんが銭湯に行って頭を剃っていると、初対面の方から、
「頭を剃っているお姿を見て、感動しました」
と声をかけられたそうです。
そのお坊さんにとっては、気持ちよく過ごしていた、何気ない日常の一コマだったそうです。
ただ、姿勢の良さや立ち居振る舞いが、自然と体からにじみ出ていたのでしょう。
それを見た人が、何かを感じた。
この話が、とても印象に残りました。
もし、
「座禅をすると姿勢がよくなるから、あなたもやりなさい」
と人に無理やり勧めても、おそらく簡単には続きません。
それよりも、まず自分自身が黙々と実践する。
それを何年も続けていく。
すると、やがて結果が自分自身の姿に表れてくる。
そして、その姿を見た周囲の人が、
「自分もやってみようかな」
と思う。
こうした変化を「静かな革命」と表現されていました。
「なるほどな」と思いました。
「人を変える」のは難しい
子どもたちを指導していると、
「人を変えるというのは、本当に難しい」
と感じます。
こちらとしては、その子のためを思って、色々とアドバイスをします。
しかし、1回言っただけで、アドバイス通りに実行する子など、まずいません。
むしろ、何度言っても変わらない。
それが普通です。
だから、大切なことは、「何度でも繰り返し伝える」。
それが大事だと思います。
また、それと同時に、
「自分自身が手本になる」
ということも大切なのだろうと思います。
率先垂範
「努力を続けることが大事だ」
と言うのであれば、まず自分自身が努力を続ける。
「毎日少しずつ積み重ねなさい」
と言うのであれば、自分も何かを毎日積み重ねる。
「新しいことに挑戦しなさい」
と言うのであれば、自分も新しいことに挑戦する。
口で言うだけなら簡単です。
しかし、自分自身が実践していなければ、その言葉は軽いものとなり、子どもたちには伝わりません。
反対に、毎日コツコツ何かを続けている人から、
「継続することが大事だよ」
と言われれば、
「この人が言うなら…」
と、子どもたちにも、何か感じるものが出てくるかもしれません。
人は、言葉だけで動くほど、簡単な生き物ではない気がします。
言葉を発するその人が、どのように生きているか。
何を続けているか。
どのような姿勢で物事に取り組んでいるか。
そうした「目に見えないところ」まで含めて、人は相手から影響を受けるのだと思います。
「静かな革命」
こちらの思い通りに、人を変えることはできない。
それは、生徒を指導していると、つくづく感じます。
であるならば、
まずは自分自身が、見本となる人間となるように行動する。
努力を続ける。
学び続ける。
挑戦を続ける。
そして、その姿を子どもたちに見てもらう。
すぐには何も変わらないかもしれません。
それでも、
「おじさんが何か頑張っているから、自分も少しやってみようかな…」
と、誰か一人でも思ってくれればいい。
そして、その一人の変化が、また周りに少しずつ広がっていく。
それが「静かな革命」なのかな。
そんなことを思いました。
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