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出題範囲の縮小に思うこと

2020/7/10

昨日、長野県教育委員会より、
令和3年度の公立高校入試の出題範囲について
発表がありました。
※詳しくはこちら
最初に内容を確認したあとの率直な感想は
「最悪…」
というものでした。
英語と国語はあまり影響がなさそうですが、
・数学は「三平方の定理」「標本調査」がカット
・理科は「エネルギー保存の法則」「月の満ち欠け」「食物連鎖」がカット
・社会は「経済」の大部分と「国際社会」がカット
と、予想以上に範囲が縮小になりました。
「いったい、何を考えているのだろう…」
と最初は腹が立って仕方ありませんでした。
「三平方の定理」は高校の数学で使いますし、
「食物連鎖」は高1で習う生物で出てきます。
「エネルギー保存の法則」は物理の基礎的な考え方ですし、
「月の満ち欠け」も例年であれば鉄板の知識です。
勉強としてもそうですが、
「一般教養」という面から見ても、
「市場価格のメカニズム」
「日本銀行の役割」
「国際連合の組織」
などは知っておくべき基礎知識だと思います。
仮に高校時代は何とか乗り切ったとしても、
大学に進学した際にどうなるのか。
全国から集ってくる同年代の中で、
「長野県の生徒」だけこうした
基礎知識を知らない状況にさらされる…。
そう考えると、暗澹たる気持ちになりました。
また「私立高校との併願」はどうなるのか?
私立高校の方で、県の方針にあわせてもらえればいいですが
(というよりあわせてくれると信じていますが)、
もし「うちの高校は、全範囲から出題されます」
となった場合、私立対策として結局勉強する羽目になり
二度手間になります。
また、これだけ範囲が削られると「過去問」は
かなり使いづらくなってしまいました。
問題を解きながら、
いちいち「ここは試験範囲なのかどうか」
を確認しながら進めていかなければなりません。
試験直前の生徒にとっては、かなりの
心理的負担になると思います。
こうしたデメリットしか浮かばなかったので、
ずっとイライラしていましたが、
いったん冷静になって
「なぜ、こんなにも範囲を削ってしまったのか?」
を考えてみました。
「遅れている学校に合わせる」というのが
一番に考えられますが、
それに加えて教育委員会では
「第二波を想定して、あらかじめ範囲を狭くした」
のではないか、と思うようになりました。
今は落ち着いていて、ほぼ日常に戻っていますが、
冬が近づくにつれて「第二波」のリスクを
考えなければならない状況になると思います。
そうなった場合、いつまた「休校」という
事態になるかわからない。
「仮に冬に休校という事態になったとしても、
終わらせることができる範囲」
そういった意図でこの範囲を設定したのではないか。
そう思うようになりました。
今回の出題範囲であれば、例年のペースで考えると、
「年内」で終わらせられる学校が多いと思います。
なので、
「年明け(冬休み)から学校が休校になっても、
年内で何とか終わらせることができるギリギリの範囲」
で試験範囲を決めたのではないか、と思いました。
「後でまた再度変えるよりも、今のうちに思い切って
範囲を縮小させておいて対応してもらう」
その考え方も、現状を踏まえると理解できます。
むしろ責任ある立場からすれば仕方ない判断の
ようにも思えます。
そう思うと、少し落ち着いて
考えられるようになりました。
いずれにしても、これで範囲は決まりました。
受験生にはまず「目の前の」勉強に全力を注いで
ほしいと思います。
今学校で学んでいることは「入試の範囲」です。
範囲が狭まった以上、例年以上に重要性が
増しているとも考えられます。
かわいそうですが、
今年は「何が起こるかわからない」です。
このような時こそ、
「日頃、地道に取り組んでいる」生徒が
強いと思います。
落ち着いて勉強する環境を整えてあげられないのは
心苦しいですが、目の前の課題に1つ1つ真剣に
取り組んで、今から準備していってほしいと思います。

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