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湿度と飽和水蒸気量

2020/11/19

理科で、生徒が苦手にするものの一つに
「湿度」「飽和水蒸気量」があります。
苦手な理由は様々ありますが、
まず公式がしっかりと覚えられていません。
教科書によると、公式は
湿度(%)=1立方メートルの空気に含まれる水蒸気の量
       ÷
      その空気と同じ気温での飽和水蒸気量
       ×
      100
と表されています。
これだと長いので、
湿度(%)=1立方メートルの水蒸気
       ÷
      飽和水蒸気量
       ×
      100 
という風に教えています。
次に、湿度の問題では色々な「気温」が
出てきますが、その気温をどのように
使うのかがわからないケースが多いです。
例えば、
気温20℃、露点が14℃の湿度を
求める問題があるとします。
この場合に、
「2つの気温が何を意味しているのか」
がわからずに混乱する場合が多いです。
さらに、湿度の公式は覚えられている生徒でも、
「1立方メートルの水蒸気量」を聞かれる場合には
途端に手が出なくなってしまいます。
この場合は、公式を変形して
1立方メートルの水蒸気量=飽和水蒸気量×湿度/100
という計算をすれば求められます。
そのことに気づかずに解けない子が多いです。
3年生の場合は、湿度を正面から聞く問題よりも、
こちらの「1立方メートルの水蒸気量」を聞く
問題の方が多いので、
公式とあわせてこちらの計算式を覚えておいた方が
いいと思います。
ただ、「1立方メートルの水蒸気量」を求める場合に、
計算式を覚えるだけではなく、
なぜ、そのような式になるのか、というところまで
考えておくと忘れにくくなります。
結局、湿度の考え方というのは、
小学校で習った「割合」の考え方にすぎません。
湿度というのは、別の言い方をすれば、
「ある気温の中で、どれだけの水蒸気が存在するか」
という、水蒸気の割合を表しているに過ぎません。
割合の言葉を使うならば、
飽和水蒸気量が「もとにする量」
1立方メートルの水蒸気量が「くらべる量」です
湿度/100が「割合」です。
「くらべる量=もとにする量×割合」なので、
結局、1立方メートルの水蒸気を求める場合には、
「飽和水蒸気量×湿度/100」
という計算式で求められる訳です。
この説明、小学校の算数がしっかりと
身についている生徒であれば
理解することが出来ます。
ですが、大多数の生徒は「割合」の
考え方が身についていません。
なので、このような説明をしても
「?」となってしまいます。
なので、結局解き方を「覚えさせる」ような
指導にならざるをえません。
中学生に理科を教えるたびに、
「小学校の算数は本当に大事だな」
と思うのは、このようなところから来ています。
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