最後まで、あきらめない
2022/3/21
3月18日、長野県公立高校入試の後期選抜の合格発表がありました。
こちらでもご案内していますが、当塾から後期選抜に挑んだ8名は、全員無事に合格することができました。よかった…
今年は厳しかった…
ブログ上で、今年の入試問題について、色々と解説をしてきました。
※詳細はこちら
去年と比べると、全体的に難しいと感じていました。なので、
「みんな、本番の点数は悪いだろうな」
とは思っていました。
が、生徒からの報告を聞いたところ、予想以上に点数が低くてビックリしました。
特に「理科」はボロボロでした。理科の平均点は40点台、30点台も十分あるような気がします。
合計点でも、総合テストの点数と比べて、「40点~60点くらい低い」という感じでした。
受験生のほとんどが、受験した直後は「ダメだった…」と思ったのではないでしょうか。
合計平均点の予想を「260~270点」としましたが、生徒の結果を聞いた感じでは、もっと低くなると思われます。
「全員合格」の裏側で
そんな厳しい入試でしたが、全員無事に合格することができました。
ただ、正直に言うと、今年は「全員合格は厳しい」と思っていました。
「なが模試で、合格偏差値を取ったことが一度もない」
「総合テストの結果も、これまで合格した生徒と比べてかなり低い」
「内申点も、これまでの合格者の数字に達していない」
こうした状況で、受験に挑んだ生徒がいたからです。
中3の1年間を通して、ずっと志望校合格には厳しい状況でした。
4回目の総合テストが終わり、進路を決める段階。
この時も、志望する高校には40点くらい足りない状況でした。
本人は「最後まであきらめない」と言っていたので、「ギリギリまで様子を見よう」とは思っていました。
ですが、1月の5回目の総合テストで、中3のテストの中で、最も低い点数を取りました。
「ここまでだな」
そう思っていました。
それでも本人は志望校を下げようとしません。
「まあ、ギリギリまで引っ張った方が伸びるから、その方がいいか」
そのくらいの認識でいました。
流れが変わる
そのような状況で臨んだ2月、最後の総合テスト。
結果が一気に上がりました。
このテストの結果が本番でも出れば、合格する可能性はある。
ただ、それでも自分の考えは「下げた方がいい」というものでした。
1回のテスト結果だけで決めるのは、あまりにも危険すぎる。
そう思ったからです。
ただ、本人はこの結果を受けて、完全に「受験する気」になってしまいました。
学校の先生にも「チャレンジしてみるか!」と言われたようで、すっかりその気になってしまいました。
この時は、学校の先生に対して
「おい、ふざけるな!」
「落ちた時の責任、お前取れんのか?」
と心の中で叫んでいました。
一応、保険として「2月の信学会の模試を受けて、結果が悪かったら下げる」
という約束をしていました。
結果は悪かったのですが、その約束もあっさりと破られてしまいました。
このような状況だったので、
「今年は落ちる子、出ちゃうかな…」
そう思っていました。
合格発表当日
受験が終わってから合格発表までの間、私の頭の中は
「いかにして『落ちた子』を励ますか」
ということで一杯でした。
「高校がすべてではないよ」
「今回の挑戦は、きっとこれから先の人生につながるよ」
「進学先の高校でがんばれ」
などなど。
様々な「励ましの言葉」を考えつつ、合格発表の「その日」を迎えました。
不合格だった場合は、報告するのがつらいです。
なので、その生徒からの報告も、「おそらく昼過ぎ、午後になってからだろう」。そう思っていました。
ところが、9時を過ぎたあたりで、一本の電話が。『落ちた』と思っている、その生徒からでした。
「もしもし、〇〇です」
「お~」
「思ったよりも、随分早い報告だな」
「ダメだったのに、こんなにすぐに報告してくれて、立派だな」
「さて、どうやって声をかけようか」
などなど、わずかな間に、頭をフル回転させる私。
「今、合格発表、見てきました。」
「おう!」
なんだ、随分じらすな。そうか。まぁ、ダメだったもんな。そりゃ言いにくいよね…。
「で、どうだった?」
言いにくいだろうと思って、意を決し、こちらから聞くと
「受かってました!!」
「ウカッテマシタ…?」
まったく準備していなかった言語を聞かされたので、一瞬、言葉の意味を理解することができませんでした。
ですが、やたらと明るい声の調子だったので、合格したのだ、ということに気づき、思わず、
「うそ~!!」
と叫んでしまいました。
合否を分けたもの
今回、この生徒はなぜ合格できたのか?
一番は、生徒の「執念」だと思います。最後まであきらめなかった。その「執念」が合格を引き寄せたのだと思います。
そして、その執念を支えたのは、学校の先生の言葉でしょう。学校の先生の激励が、最後の心の支えになったのだと思います。
あの時は、「ふざけるな!」と思ってしまって、ごめんなさいm(_ _)m
次に「本番の結果」から考えると、まず「国語」でそこそこ点数が取れたのが大きかったと思います。
もともと「国語」が安定していた生徒でした。本番の結果でも、「国語」で他の生徒が崩れている中、ある程度の点数が取れていました。
多くの生徒が、最初の受験教科である「国語」でパニックにおちいったところ、この生徒はそれほど焦らなかったのではないかと思います。
あとは「全体的に大きく崩れた教科がなかった」というのが勝因かと思います。
「理科」で大きく点数を崩す生徒が多かった中、まずまずの点数でまとめてきました。これも大きかったと思います。
今年も「ミラクルロード」に救われたような気がします。最後、やらせておいてよかったよ…。
生徒から教わる
いずれにしても、「大逆転」で合格をつかんだ生徒には、ただただ「よくがんばったね」と言うのみです。
これまでも、周りから「難しい」と言われながらも、合格を手にした生徒を見てきました。
ただ、その時も、自分なりにはきちんと「勝算」があって、その上でゴーサインを出してきました。
ですが、今回は、そうした「勝算」がほとんどない中での受験でした。
さすがに今回ばかりは、自分も「厳しいな…」と心の中で思っていました。
ですが、生徒は無事に合格をつかんできてくれました。
「最後まであきらめたらダメだよ」とは言ってきました。
ですが、それを本当に最後までやり遂げられる生徒はほとんどいません。
今回、正直自分は諦めていた部分があったのですが、生徒は最後まであきらめなかった。
「やっぱり、最後まであきらめたらいけないんだな」
そのことを、生徒から教えてもらった気がします。
☆YouTubeチャンネルもやっています
https://www.youtube.com/channel/UCcorE8DZR8FqA_EX2tlHo-A/featured?view_as=subscriber
ぜひご覧ください。