県ヶ丘に逆転合格した生徒の話
2021/2/2
後期選抜まで残り35日となりました。
この時期になると毎年思い出す、
ある生徒の話をしようと思います。
その生徒は「県ヶ丘」志望でした。
中3の夏までは順調に来ていました。
学校のテストもまずまず、模試も悪くない。
「この調子でいけば、問題ないかな」
という感じでした。
ところが2学期に入り、総合テストが始まると、
状況が少しずつあやしくなっていきます。
学校のテストで思うような結果が
出なくなってきました。
それでも、模試の結果を見ると
そこまで悪くなかったので、
「このままでいいかな」と思っていました。
ですが年が明け、入試が近づくにつれ
状況がだんだんと悪くなっていきました。
1月の総合テストで思うような結果が出ず、
2月、最後に行われた学校のテストは
ボロボロの状態でした。
特に理科の点数がひどく、
「23点」という過去最低点を叩き出しました。
この結果を見て、学校の先生も、ご家族も
さすがに「厳しい」と思ったのでしょう。
「志望校を下げるように」
とアドバイスしたそうです。
塾に来て、半べそをかきながら
「志望校を下げろとみんなから言われた」
という話をしたので、私は
「じゃあどうする?下げるか?」
と聞きました。
その時の生徒の答えは、
「絶対に下げません。落ちたら
私立の併願校に行きます。」
というものでした。
この生徒は、一貫してこの姿勢でした。
「もし志望校を下げて、本番いい点数が取れたら、
一生悔いが残る。だったら最後まで
あきらめたくない。」
このような話を生徒同士でしていた
ように思います。
「よし、わかった。じゃあ県ヶ丘を受けよう。
だけどもう時間がないから、
理科はこれだけやりな。」
そう言って渡したのが「ミラクルロード」でした。
この生徒はとにかく理数系、特に理科が弱かった。
なので理科を何とかするしかない。
ただ、入試まで残り3週間。
あれこれ言っても仕方がない。
とにかく「わかりやすい」指示だけしよう。
そう思って言いました。
それから入試までの間、
理科についてはひたすら
「ミラクルロード」を解いていました。
実はかなり前からミラクルロードを使って
勉強させてはいたのですが、
何となく解いている、という感じでした。
ですが、追い詰められた状況になって、
ようやく必死になって解くようになりました。
「まあ、やるだけのことはやったかな」
そんな気持ちで、最後送り出したのを
覚えています。
そして入試。
翌日、入試問題を解いてみると
理科の問題は結構難しい。
「これは、厳しいかもしれないなぁ…」
そう思いつつ、
「ま、終わったことだし、
あとは結果を待つしかないよな」
そう切り替え、結果を待ちました。
合格発表の日。
次々と合格の報告がある中で、
なかなかこの生徒からの連絡が来ない。
「まだか~、まだか~」
教室内をぐるぐるしながら待っていると、
一本の電話が。
「〇〇です。」
電話の声の様子を聞いて確信。
「県ヶ丘、合格しました!」
「そうか、おめでとう!君が一番心配だった!」
あとで入試結果を聞くと、理科は「61点」
とのことでした。
この年の理科の平均点は40点台だったので
上出来だと思います。
余談ですが、この結果、
うちの塾の生徒の中で一番よかった、
というオマケがつきました。
勝因は色々あると思いますが、
最終的には
「どうしても県ヶ丘に行きたいんだ!」
という本人の執念が、合格を
引き寄せたのではないか。
そう思っています。
いま、思うように結果が出ずに苦しんでいる
受験生がたくさんいると思います。
客観的に自分の実力を判断することは重要です。
誰もがこのような形でうまくいくとは限りません。
勇気を持って「下げる」という判断をすることは
決して逃げではありませんし、
下げたからといって、これまでの努力が
消えてなくなるわけではありません。
「無理をして、難しい高校を受けろ」
と言いたいわけでもありません。
ただ、「最後まであきらめないんだ」
と覚悟を決めて今、まさに努力をしている
受験生の励みに少しでもなればいいな、
と思い、この話を紹介しました。
少しでも励みになれば幸いです。
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