令和4年度長野県公立高校入試感想(数学)
2022/3/10
昨日終わった、令和4年度の長野県公立高校入試の問題を解いた感想を述べていこうと思います。
今日は数学です。
難しい…
まず一通り解いた感想ですが、今年の問題は昨年と比べると「難しい」ということが言えると思います。
というのも、「多くの生徒が苦手にする問題」がたくさん出ていたからです。
例えば問1の問題。
ここは「基本問題」と言われるところです。確かに難易度はそれほど高くないです。
ですが、生徒が苦手にする問題が多かった、という印象です。
(8)が一番難しいと思いますが、(4)(6)(7)(9)なども、けっこう間違える生徒がいるのではないか、と予想しています。
問2は割合が身についていないと…
問2も解きにくい問題が散りばめられている感じです。
その中でも(3)は苦戦した子が多いのではないかと思います。
小学校で習う「割合」の意味がきちんと理解できていないと、問題文に挙げられている連立方程式の意味が理解できないと思います。
そして、実際に理解できている生徒は全体の3割くらいではないかな、と予想します。
なので、半分以上の生徒は(3)は全滅だったのではないか、という気がします。
問3は「国語力」が問われる
問3は関数の問題でした。
Ⅱの方は典型的な問題でした。(3)②は難しいので、ここは解けなくてもいい問題です。
Ⅰの方は、数学的にはそれほど難しいことが問われているわけではないです。
ただ、「問題が何を言っているのか?」をきちんと理解できないと解けない問題でした。
「思考力」が問われる、大学入試を意識した問題だと思います。
問4は例年と比べると…
問4は図形の問題でした。
昨年出題範囲から削られた、「三平方の定理」を使った問題が多く出題された、という印象でした。
図形の問題なので、苦手にする子が多いと思います。
ですが、個人的には例年と比べると解きやすい印象でした。
同じようなパターンで解かせる問題があったので、そこに気づけば解きやすいと思った生徒もいるのではないか、という気がします。
今後の対策
今後の対策としては、以下の3点を意識することが大事です。
①「原理・原則」を押さえる
②幅広く練習しておく
③小学校の「算数」を固める
①「原理・原則」を押さえる
長野県の入試の特徴として、「本質的なところをきちんと理解しているか」が問われやすい、と言えます。
言い方を変えると、「小手先のテクニックだけ知っていても、点数は取りにくい」ということです。
問1(7)、問2(2)②、問3Ⅰ(2)、問3Ⅱ(1)などがそうした問題かな、と思います。
教科書にのっている原理・原則をきちんと押さえる。
基本的な問題を解く時にも、「なぜそうなるのか?」を意識する。
そうした姿勢が大事です。
②中1から地道に練習しておく
中1から中3の内容まで、幅広く出題されています。
また①で述べたように、原理原則をきちんと押さえていくことが問われています。
そのため、「中3になってから準備をする」という姿勢では、間に合わない、という感じがします。
特に上位の高校を目指す生徒は、中1の時から確実に練習を積み重ねていってほしいと思います。
③小学校の「算数」を固める
また、解いていて思ったのが、「小学校の算数が身についていないと、キツイな…」と感じられる問題があったことです。
問1(9)は「時間」の単位変換、、問2(2)①は「概数」の考え方、問2(3)は「割合」です。
これらはいずれも小学校で習う単元です。
また、問4の図形の問題でも、「比」を使いこなせるかどうかで、問題の解きやすさはだいぶ変わったと思います。
上位校を目指す生徒であれば、小学校の算数をきちんと身につけておく必要があると思います。
最後に
今年の数学は、おそらく平均点は下がると思います。45点前後になるのではないかな、と予想しています。
いわゆる「難問」はほとんどないのですが、「生徒が苦手にするところ」をうまく突いてきている問題だったような気がします。
今年の問題を作った方は、現場での指導歴が長い方なのかな、という気がなんとなくしました。
そして、今年のような問題を解けるようにしていくのは、相当大変だということを感じています。
「テクニック」を教えるだけの指導では太刀打ちできないからです。
いかに「地道な」練習を、「考えさせて」することができるか。その点が問われています。
そしてこれは、多くの生徒ができないところです。
指導者側に大きな問題提起をしたような、そんな入試問題だったように思います。
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