高校再編の波
2022/5/25
昨日(令和4年5月24日)の教育委員会定例会において、県立高校の再編案が出されました。
※ネットの記事はこちら
再編案によると中信地区の高校だと、
塩尻志学館(以下志学館)と田川高校(以下田川)を1つの高校に統合(塩尻総合学科新校(仮))。
南安曇農業高校(以下南農)と穂高商業(以下穂商)と池田工業(以下池工)を1つの高校に統合(安曇野総合技術新校(仮))。
とする計画だそうです。
※くわしくは長野県教育委員会HPに掲載されている「高校改革 ~夢に挑戦する学び~ 再編・整備計画【三次】(案)」の資料をご確認下さい。18~24ページにのっています。
統合案の根底にある考え方
なぜこれらの5校が再編の対象になったのか。
ポイントは「松本市以外の高校」という点だと思います。
志学館と田川は「塩尻市」の高校、南農と穂商は「安曇野市」の高校、池工は「池田町」の高校です。
県教育委員会の資料では
「松本市内の高校は、だいたい定員を満たしているが、それ以外の市(塩尻、安曇野)の高校は、定員に達していない」
という趣旨のことが書かれていました。
おそらくこの点を重視したのだと思います。
「生徒が集まらない塩尻市と安曇野市に、複数の高校を存在させておくのは厳しい状況にある」
という本音が透けて見えます。
現状から考える
実際に今回対象となった5つの高校の入試の状況を見てみると、毎年のように「定員割れ」となっている気がします。
テスト前で調べている時間がないので、詳細については各自でご確認いただきたいのですが、私の感覚では、この5つの高校のうち南農を除く4校は、ここ数年、「かなり生徒の募集に苦戦している」という印象です。
「生徒の募集に苦戦している」ということは、「受験すればほぼ合格してしまう」ということです。
こうした状況が果たして健全なのかどうか。そういった面からも、「高校再編」という問題を考えていかなくてはいけないのかな、という気がしています。
中信地区における、公立高校を取り巻く環境は年々厳しくなっています。
少子化による生徒減、私立高校の台頭。
そういった中で、今までの枠組では高校運営が成り立たなくなってきている、という現状があるのだと思います。
デリケートな問題ではあるが…
「高校再編」はかなりデリケートな話です。「母校がなくなる」という話だからです。
高校時代を過ごした母校がなくなるというのは、とても寂しいことだと思います。
ただ、東京の知人と話をしていると「出身中学がボコボコなくなっている」という話を耳にします。
首都圏で行われている「学校再編」の波は、いずれ地方にもやってくる。
今後は高校だけでなく、小中学校でもそうした「学校再編の波」はやってくるのだと思います。
非常に難しい問題ですが、少子化は避けられない事実です。
その事実を踏まえた上で、「感情」と「現実」を切り分けて考えていかなくてはならない時期に来ている。
今回のニュースを見て、そのように感じました。
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