「書き写す」
2023/1/13
学力が低い生徒を指導していて困ることはいくつかあります。
その中の1つに「正確に書き写すことができない」というものがあります。
ノートを使おうと思っても…
うちの塾では「ノート」を使って練習します。
テキストに書き込んでしまうと「繰り返し学習」することができないからです。
なので、テキストに書いてあることを、そのままノートに書き写すところから始まります。
例えば、計算練習をする場合。
まずはテキストに書いてある式をノートにそのまま写すところから始まります。
生徒を長年指導していて気づいたのですが、これができない生徒が想像以上に多い。
体感ですが、おそらく1学年あたり20~30%の生徒は、正確に「書き写す」ことができないと思います。
そして、こうした生徒は、ほぼ例外なく「低学力」です。
「問題の解き方」を教えるよりも前に、まずはノートに正確に書き写せるように練習する。
低学力の生徒は、ここから始めなければなりません。
小学校でノートはあまり使わない?
特に小学校では、あまりノートを使った学習指導はなされていないように感じています。
普段の勉強は、与えられたテキストに、そのまま書き込む。
テストは、与えられたプリントにそのまま書き込む。
そういう指導が多いと思います。
では、「小学校の指導が悪いのか」ということになると、必ずしもそうとは言い切れません。
小学校の先生も、ノートを使った指導をしたいのではないか、と思います。
ですが、ノートに書かせようにも、まず正確に生徒が書き写せない。
また、生徒自身で、テキストとノート、どちらも管理することが出来ない。
物が増えれば、それだけ「無くす」リスクが高まります。
そんなことで時間を取られていたら、学校の授業が先に進まなくなります。
そういった理由から、ノートを使った指導ができなくなっているのではないか。
そう推測しています。
ただ「書き写す」だけなのに…
大人の視点からすれば、
「ただ書いてある内容を書き写すだけなのに…」
と思うのですが、これができない。
こうした生徒を指導するたびに
「この子たちが大人になった時、どうなるんだろう…」
と暗澹たる気持ちになります。
仕事の際に、与えられた情報を正確に「書き写す」ことができない。
そのような社員を果たして企業は雇いたい、と思うのか?
仮に社員となったとしても、仕事上でどのようなトラブルを引き起こすのか。
そのようなことを思ってしまいます。
確かに、今はパソコンを使った仕事が主流なので、「コピペ」すれば問題ない。
そうかもしれません。
ですが、コピペで事が済んでしまえば、
「正しく情報を認識できない」
まま、その状態がそのまま放置されてしまうことになります。
もしかしたら、そのことの方が恐ろしいことかもしれません。
訓練が大事
とある小学校では、生徒の学力を伸ばすために、教科書を正確に「書写させる」という取り組みをしている、という記事を読んだことがあります。
正確に「書き写す」ようになるには、継続的な訓練が必要です。
塾に通っている生徒も、最初のうちはまともに書き写すことが出来なかった生徒が、散々練習していく中で、徐々にできるようになっていく様子を見ています。
これは学年が低ければ低いほど、改善することが容易です。
たかだか「書き写す」ことかと思われるかもしれませんが、小学生をお持ちのご家庭では、ぜひ一度試してみていただきたいと思います。
そして、もし正確に「書き写す」ことができないのであれば、今すぐにでも訓練をするようにしていただきたい。
そう思います。
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