教えることは危ない
2023/4/6
毎朝、円覚寺の横田南嶺管長のお話をYou Tubeで聞いています。
鎌倉のお寺のお坊さんの講話を、毎朝長野県で聞ける。
なんともすごい時代だと思います。
今日のタイトルは「教えることは危ない」というものでした。
私が普段感じていることと似たようなお話だったので、非常に勇気をいただける内容でした。
「わかったつもり」になるが…
最近亡くなられたハガキ道伝道者の、坂田道信さんのお話でした。
「先生のお話を聞いて教わることは、いいことのように思えるが、実はあまりよくない。」
「教えた方は『伝えた』つもりになるし、教わった側もいい話を聞いたので『わかったつもり』になる。」
「だが、実際には、知識だけ増えただけで、何も身についていない」
このような内容でした。
坂田さんは農家の生まれでしたが、病弱で小さい頃に勉強ができませんでした。
そんな坂田さんは、ある出会いをきっかけに、「ハガキ」を書くことを勧められます。
ただ、小さい時に勉強していなかったので、漢字が書けない。
ひらがなだらけのハガキを書くのは恥ずかしい。
そこで「最低でも3つ、漢字を入れる」ことを目標に、ハガキを書くようにしました。
最初のうちは、調べながら書いていたので、1枚のハガキを書くのに、ものすごい時間がかかりました。
ですが、ハガキを書き続けることで、最終的には「ハガキ道伝道者」と呼ばれるまでになりました。
「自ら学ぶ」ことによって、1つの道を極めた方の言葉だけに、非常に心に響きました。
自ら「学ぶ」姿勢が大切
私が指導する時に、もっとも意識することが
「教えすぎない」
ということです。
生徒はわからないところがあると、すぐに頼ってきます。
「やったことがない」「知らない」ことであれば、わからなくても仕方ないので、教えます。
ですが、「以前習った内容」「解説を読めばわかりそうな内容」である場合は、絶対に教えません。
「まずは自分で考えてごらん」
そう言って、突き放します。
人から教えてもらえば、その場では「わかったつもり」になります。
ですが、自分ひとりで問題に対峙した時、「わかったつもり」の状態では解けません。
自分であれこれと考えて、納得して「わかった」となる。
それで初めて問題が解けるようになります。
私は「教える」ことが仕事ではなくて、生徒が「自力で解ける状態にまで持っていく」ことが仕事だと考えています。
そのためには「教えすぎない」ということが大事だと考えています。
「生徒が、自分の頭で考えて、問題を解決していく」
そのような生徒を育てる塾でありたい。
そう思っています。
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