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「塾が学校の過去問を配る」ということ

2023/5/26

中学校の「過去問」

今日は、非常に気が重いテーマです。

テスト前に、生徒のテスト勉強の様子を見ていると、たまに、その中学校の「過去問」を解いている生徒がいます。

兄・姉がいる生徒の場合は、「兄・姉」の過去問を解いています。

最近は学校の先生が、「テスト対策」として配っている場合もあるようです。

ですが、中には「塾でもらった」というものもあります。

以前は「英語だけ別の塾に通っている」という生徒が、「塾からもらった」過去問を解いていることがありました。

また最近は、「別の塾に通っている友達」からテスト用紙をコピーさせてもらっているケースもあるようです。

こうした生徒の姿を見る度に、なんとも言えない、モヤモヤした気持ちになります。

法的に問題あり

まず、結論から申しますと

「学校のテストを塾がコピーして生徒に配布するのは、著作権法違反の可能性が高い」

です。

※参考記事

「塾が学校のテストを無断で収集・配布、いいの?」(西日本新聞)

この事実について、知ってか知らずかわかりませんが、「当たり前」のこととして、過去問を配ってしまっている塾があるのが現状です。

恥ずかしながら、自分も以前勤めていた塾では、過去問のコピーを取っていました。

ですが、独立するにあたり、知り合いの弁理士に話を聞いたところ、

「猿田さん、学校のテストを塾がコピーして勝手に使うのは、著作権法から見て、完全にNGです」

という指摘を受けました。

なので、当塾では、「過去問をコピーして、生徒に配る」ということはしていません。

また、私の大学の後輩に、中学の教師をしている者がいます。

彼の話を聞いていると、「テスト作成の大変さ」というものを感じます。

なので、中学の定期テストは

「他人が勝手に使っていいものではない。ましてや、それを使って利益を上げるべきではない。」

という風に思っています。

たとえ需要があったとしても

塾で使っているところも、おそらくそこまで「重大なこと」という認識ではないところがほとんどだと思います。

「周りの塾がやっているから」
「生徒・保護者の要望があるから」

「よかれ」と思ってやっているところがほとんどだと思います。

というか、そう信じたい。

ですが、「ダメなものはダメ」。違法です。

その事実を知っている以上、私の塾では「過去問を配る」ということは、絶対にやりません。

まれに

「定期テスト対策の過去問はどうしているのですか」

という質問が保護者からありますが、その時は

「うちではやっていないので、過去問が必要であれば、他所で配っているところに行くようにして下さい。」

と答えます。

「違法なこと」をしてまで、生徒を集めたい、という気持ちはサラサラないです。

下駄を履かせたところで

確かに、定期テストの場合、過去に出た問題とそっくりの問題が出ることがあります。

きっと「過去問」を使って準備をすれば、いい点数が取れるのでしょう。

ですが、そうして獲得した「点数」に、一体どれだけの価値があるのでしょうか。

定期テストでいい成績を収められれば、生徒も喜びます。親も喜びます。内申点も上がるでしょう。

ですが、そうやって得た「見せかけの実力」というのは、いつかどこかで必ず「ボロ」が出ます。

昔、書店で売っている「全国の高校入試過去問」を生徒に解かせていた時、たまたま「解いたことのある問題」が総合テストにそのまま出たことがあります。

ですが、その生徒は、あまり解けませんでした。

たとえ以前解いたことがあって、ある程度答えを覚えていたところで、

「きちんとした解き方、考え方」

を地道に努力して身につけておかなければ、「真の実力」は身につかない。

そう思ったことを覚えています。

「正々堂々」生きてほしい

「グレーなこと」をして、いい点数を取って、生徒や保護者に喜ばれるよりも、「正々堂々」テストに臨んで、点数が悪くて、生徒や保護者に非難される。

そちらの方が、マシです。

というよりも、「グレーなこと」をして、生徒にいい点数を取らせて、一体子ども達に何が残るというのか。

きつい言い方になりますが、そんな「卑怯な」やり方を子どもたちに教えて、将来「子どもが社会に出て活躍できる人間」になると思っているのだろうか。

「世の中、そんなに甘くない」
「どんな手を使おうが、結果がすべて」

確かにその通りかもしれません。

ですが、私は、子どもたちにそうした「卑怯なまね」をするような大人になってほしくない。

たとえ愚直でも、回り道をしたとしても、「真っ当なやり方」で生きていく道を選んでほしい。

そう思っています。

なので、うちの塾の生徒達には、

「正々堂々準備して、正々堂々勝負に挑む」

という考え方を身につけ、実践していってほしい。そう願っています。

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