混乱する現場
2023/6/1
やっぱり「英語の教育現場」は混乱しているようです。
終わったはずじゃ…?
安曇野市のある中学。つい先日、中間テストが終わりました。
「次のテストに向けて、予習をしていこう」と思い、前回のテスト範囲の続きから始めることにしました。
1年生は「unit2」まで終わっていたことになっていました。
なので、「unit3」の内容から始めたのですが、いまいち生徒の反応がおかしい。
unit2までの内容が、あまりきちんと理解できていない。
「おかしいな…?」
と思って、よくよく確認してみると、
「テスト範囲が縮まった」
とのこと。
どうやら、テストは「unit1」までの内容しか出題されなかったようです。
「もっと、早く言ってよ…」
と思いましたが、テスト直前に入塾したばかりの子でしたし、中学で初めてのテストを受けた生徒です。
学校生活が長くなれば、「テスト範囲が変わる」ということは頻繁に起きるので慣れてきて報告してくれます。
が、まだ最初のテストだったため、そのような対応を求めるのは酷でした。
私自身、まさか最初のテストから、そんなに大幅にテスト範囲が変わるとは、予想もしていませんでした。
また、「当初のテスト範囲」くらいのペースで進めていかなければ、おそらく1年の内容は終わりません。
最初のテストから、いきなり予定通りに進められない…。
この先のことを考えると、「いつかどこかでしわ寄せがくるんだろうな…」と、なんとも言えない気持ちになりました。
生徒いわく
「英語の授業は、あまり進まない」
とのことでしたが、「そりゃそうだよ…」という気持ちです。
「先生の進め方が遅い」のではなく、
「何も知らない生徒に、どこから手を付けて教えていけばいいかがわからない」
という状態なのだと思います。
「初めて聞きました」
この生徒には、「be動詞」と「一般動詞」の違いを確認しました。
ここの違いがわかっていないと「疑問文」「否定文」の変化の流れがわからなくなります。
基本ですが、しっかりと押さえておきたいところです。
一通り説明したあとに、ふと
「学校で、こういう話してる?」
と聞いてみたら
「いや、全然していません。『be動詞』って、今日初めて聞きました。」
という回答。
「be動詞」「一般動詞」については、「小学校で既に習得済み」となっているはずなのに…。
学習指導要領では、
「あまり文法に偏って教えてはならない」
という風になっているため、先生方は忠実に守っていらっしゃるのだと思います。
ですが、文法を教えずに、果たしてどうやって英語を理解させるのか…。
現場の先生方の苦労が想像できます。
いま一度、元英語教師だった文豪、夏目漱石の言葉を紹介します。
「今の中学でただ練習の結果自然と英語を学ぶのは困難である。やむをえずまず規則を知ってそれを骨とし、それに肉を着せて互いの意志の疎通するように話し書くほかはない」
「文法を離れて訳はなく、訳を離れて文法はないものと合点しなければならない」
「せめて自塾に通う生徒に対しては、基本的な文法をきちんと教えていこう。」
改めてそう思いました。
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