「なぜ?」を考える
2023/10/17
算数は得意だったのに…
今年度も半分以上が過ぎました。
段々と学習内容が難しくなってきています。
特に中1の生徒は、2学期になって急に内容が難しくなってきているため、ついてこられなくなってきている生徒が見られます。
その中でも「数学」については、かなり苦戦している生徒が多い印象です。
元々算数・数学が苦手な生徒もそうですが、
「小学校の時は算数が得意だった」
という生徒も、数学で苦戦している様子が見られます。
そこには、1つの原因があります。
「パターン」で解いている
小学校の算数は得意だったのに、中学校の数学でつまづく生徒で一番多いのが
「小学校時代に、パターンで解いていた」
生徒です。
例えば
「時速60kmで120kmの距離を進むと、何時間かかるか」
という速さの問題があったとします。
「パターン」で解く生徒は、
「時間=道のり÷速さ」
という公式に当てはめて、計算し、答えが出たらそれでOK。
それ以上考えることはしません。
小学校の算数の場合は、あまり複雑な問題が出てきません。
なので、「公式」を覚えて、それに当てはめておけば十分通用します。
ですが、中学の場合は、ただ公式に当てはめるだけでは、答えが出ないような問題が出てきます。
その時に大事なのが、
「自分のやった計算が、どういう意味を表しているのか」
という部分まで考えているかどうか、ということです。
「なぜ」その計算をするのか?
例えば先程の問題
「時速60kmで120kmの距離を進むと、何時間かかるか」
の場合、公式を抜きにして考えてみると、
「時速60kmというのは、『1時間で60km進む』ということだから、120kmだったら、その倍の2時間かかる」
というように、ただ公式に当てはめるだけでなく、その問題の本質的な部分まで考えて問題を解く。
こうした解き方をしている生徒は、中学に入っても数学で苦労しません。
小学校の時は、「浅い理解」でも答えが出るので、「パターン」で解いていても、「深く考えて」解いていても、結果は変わりません。
ですが、中学になって、難しい問題に直面した時に、
「小学校時代に、どれだけ深く考えながら問題を解いていたか」
という姿勢の差が、徐々に結果となって現れてきます。
なので、小学生の生徒、特に「算数が得意」と言っている生徒に対しては、
「パターンで解いているだけか」
「きちんと本質的な理解をしながら解いているか」
という部分を見極めることが重要だと思っています。
数学の「真のおもしろさ」とは
小学生の「算数が好き」という場合の「好き」には、
「問題がスラスラ解ける」
という部分が、多くの部分を占めていると思います。
ですが、もし仮に「パターン」で解くことに慣れきってしまっていると、中学に入って苦戦することになります。
多少歩みは遅くなったとしても、できるだけ小学校のうちから
「なぜそのような計算をするのか」
「どうしてこの計算をすると、問題で聞かれている答えが出るのか」
という部分まで、しっかりと考える癖をつけておきたいところです。
そして、こうした
「なぜ?」
という部分を追求するところに、算数や数学の「真のおもしろさ」というものが潜んでいる。
そう思っています。
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