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「ほめて伸ばす」と言うけれど

2019/7/8

先日、あるコラムを目にしました。
曰く
「生徒をまずは『ほめる』こと。
 ほめると、生徒の承認欲求も満たされ、
 やる気が出る」
「怒るのは『トラウマ』が残るだけなので
 避けるべき」
「ほめることは費用もかからず、
 すぐにできることだから実行しない手はない」
等々、「ほめる」ことの素晴らしさに
ついて書かれていました。
現在の風潮は
「怒る」ことよりも
「ほめる」ことの方が是、
という風潮のように思います。
正直、私も「ほめて伸ばす」タイプの
人間だと思っています。
ただ、一方で
のべつまくなしほめまくる、
というのもどうなんだろう…、
という気もしています。
ある本で読んだのですが、
「ほめられて育った子は、大人になって
自分が否定される、という現実に直面した時に
その現実を受け入れられなくなる」
傾向にあるということです。
「ずっとほめられてきた自分は悪くない。
 悪いのは、そんな自分を認めない周りの環境だ」
ほめられ続けて育った人間は、
そうした思考になってしまうのかもしれません。
たしかに「ほめる」ことは
大事なことだと思います。
日本の教育は、どうしても
「悪いところに目がいきがち」です。
1教科点数の悪い教科がある。
この場合、悪い教科にのみ注目が当たる。
よくできた4教科には目がいかない。
そうなりがちです。
ですが、ちょっとしたことで
なんでもかんでもほめていたら
子供は勘違いをしたまま
大人になってしまうのではないか、
そんな気がしています。
また、子供はそんなに愚かではありません。
ただ好かれようとして安易にほめている
大人のよこしまな考えなど、簡単に見抜きます。
それでは「ほめる」意味などない気がします。
効果的に「ほめる」には
「タイミング」「言葉」が大事だと思います。
できなかったことができるようになった瞬間、
子供が自分なりに頑張って成果が出たと
思っている瞬間、
子供自身は気づいていないけれども、
よくやったと思われる瞬間。
そうした瞬間を逃さない。
そしてかける言葉。
語りかけた方がいいのか、
短い言葉で伝えるべきなのか。
選ぶ言葉も大事です。
そうした「タイミング」「言葉」が
適切なものであった時、
初めて効果的な「ほめる」に
なると思っています。
「ほめる」のには、
根気とテクニックがいると感じています。
今も試行錯誤の日々です。
そんな自分からすると、ただ
「ほめればいい」という考え方は、
あまり好きになれません。

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