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右肩上がり

2020/2/24

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こちらは、塾に通っている
中学2年生のある生徒の成績表です。
今年1年間、ずっと点数を下げずに
上げ続けました。
それにあわせて、順位も20位くらい
上がりました。
このようにわかりやすい
「右肩上がり」になる生徒は
正直あまりいません。
成績が上がる場合は、
上がったり下がったりを繰り返しながら
最終的に成績が上がっていた、
という生徒が一般的です。
では、この生徒はなぜ上がり続けたか?
それは「本人の強い意志」によるものでした。
1学期のうちはそんなに意識していなかった
と記憶しています。
「とりあえず平均点越えればOK」くらいの
ノリでした。
2学期の中間テストが
ちょっと難しかったのですが、
そこでも少し点数が上がりました。
このあたりから「点数を下げたくない!」
という気持ちが強くなったように思います。
2学期期末テストの頃になると
明らかに今までと違う雰囲気で努力していました。
「どうしちゃったの?」と聞くと、
「今までずっと点数上がっているから、
 点数下げたくないんです!!」
との回答。
「なるほど。それであんなに頑張っていたのか。
でも、結構実力を出し切っているから、
ここから上げるのはちょっとな…。」
と思っていました。
それでもテストが簡単だったこともあり、
2学期期末テストでも点数が上がりました。
そして迎えた最後の関門、今回の3学期期末。
数学の先生から
「今回はかなりテストを難しくしたぞ~」
と言われたとのことで、
ドキドキしながら、必死に準備していました。
私としては、
「3学期期末テストは内容も難しいし、
前回のテストが簡単だったので
今回は難しくしてくるだろうから、
さすがに厳しいだろう」
という思いでいました。
それでも、
自分から努力できるようになったし、
1年生の時と比べると確実に成長した、
と感じていたので、
正直点数にこだわりはありませんでした。
「点数下がったら、どうやって励まそうかな」
ということを考えていました。
それでもやっている生徒は真剣そのもの。
数学が難しい、と聞いていたので、
テスト範囲の内容を何度も繰り返してみたり、
「計算は教科書の問題から出る」
と言われたから、教科書の問題を解いてみたり、
自分なりに考えて準備していました。
そして結果が写真の通りです。
テストが返ってきた時、
「どうだった?」
と私が聞くと
「エヘヘ…」
と、なかなか教えてくれません。
それでもニコニコと嬉しそうな顔をしていたので
「おっ、すごい。点数上がったのか~」
とすぐにわかりましたが、
「じゃあとりあえずテスト結果を書いてみて」
とあえて聞かずに、
いつもの「テスト結果振り返り表」に
記入してもらいました。
その後、少々オーバーに
びっくりしてみせたのは言うまでもありません。
塾講師には「演技力」も問われます。
点数でいえば「4点」上がっただけです。
ですが、本人にとってはとても大きな
結果だったと思います。
実際に数学は平均点も低く、難しかったですが、
それでも他の教科でカバーすることで、
目標を達成できました。
「自分からやる気になった生徒の成長はすごい」
改めてそれを感じさせてくれる出来事でした。

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