部活が好きになれない理由
2022/11/25
昨日の記事でおわかりになるかもしれませんが、私はあまり中学の部活が好きではありません。
「入試に不利になる」というのが主な理由ですが、それ以外にもいくつかの理由があります。
日程変更のしわ寄せを受ける
一番の理由は
「日程変更のしわ寄せを受ける」
からです。
中学の部活は、季節によって活動時間が変わります。
夏になると遅くまでやるようになります。
そのため、夏が近くなると
「時間を変えてほしい」
というリクエストが増えます。
このくらいであれば、毎年のことですから、「まあ仕方ないかな」と思います。
また、土曜日の授業で
「大会がある」
というのも仕方ないと思います。
ですが、
「急遽練習が入ったから、変更してほしい」
というのは、カチンと来ます。
「あらかじめ予定をお知らせしておいた方が、なぜ急遽変更した方の都合で、不利益を被らなければならないのか?」
これはいつも思います。
そして、これはだいたい同じ部活で頻発されます。
「もっと早めに、予定を立てておけよ」
そう思います。
そんなに長い時間いるか?
次に「拘束時間が長い」点です。
「この日は1日中部活の練習が入ってしまったので、別の日でお願いします」
という生徒の要望を受けます。
「どのくらい練習しているんだろう?」
と興味を持ったので、
「どのくらい練習しているの?」
と聞いてみました。
すると「朝〇〇時~夕方〇〇時までです」との回答。
部活の練習といったら、だいたい「1日2時間」くらいをイメージしていた自分としては、
「そんなにたくさんの時間、何を練習することがあるんだろう?」
と不思議に思いました。
また、
「そんなに長時間集中できるもんなのかな?」
とも思いました。
塾の「2時間」の授業でさえ、やっとの思いでこなしている様子なのに…。
そこで、ふと思いつきました。
「そんなに長い時間『練習している』って言っても、どうせ友達とダラダラ喋ってる時間が多いんじゃないの?」
すると
「まあ、そんな感じですね。」
という返答。
「拘束時間が長い割に、無駄な時間を過ごさせている」
こうした時間の使い方に慣れてしまうと、「時間の大切さ」がわからなくなるのではないか。
そう危惧しています。
最後は「生徒まかせ」
そして、一番納得がいかないのは、
「最後は生徒まかせ」
という姿勢です。
多くの中3生は、夏休み前で部活が終了します。
ですが、夏休み以降も活動している部活もあります。
受験生にとって「勉強時間」は貴重です。
その貴重な「勉強時間」を奪ってまでやる部活の価値ってどれほどあるのだろう。
いつもそう思います。
そして、そういう時に、だいたい話に挙がるのは
「君たちの先輩の中には、部活を最後まで頑張りながら、高校入試もしっかりと結果を出した人もいる」
という、「立派な先輩の例」です。
「こういう立派な先輩もいたのだから、勉強に影響が出るのは、君たちの努力が足りない」
こうした姿勢が透けて見えます。
ですが、「部活」も「勉強」もしっかりと両立できる生徒など、1学年に数えるくらいしかいません。
そういった「特例」を挙げて、他の「普通の生徒」のせいにするのは、
「ちょっと違うんじゃないかな」
と思います。
昨日の記事でも触れましたが、
「もう少し早くから受験勉強に取り組んでいたら、もう少し上の高校まで狙えたかもしれないな…」
と思う生徒を、毎年のように見ています。
「なぜ、部活によって、生徒の進路が狭められなければならないのだろう?」
これが毎年思うことです。
親の負担も大きいと思うが…
そうはいっても、私はしがない塾屋です。
冷めた言い方をすれば、
「それもこれも、生徒が決めたことだから、与えられた状況で粛々と勉強を教えるのみ」
と、割り切っています。
ですが、部活をさせている保護者の方は大変だと思います。
・大会の度に送迎をしなくてはならない
・翌月の予定がギリギリまでわからないから、先の予定が立てられない
・練習の場所も遠い時があるから、そこでも送迎
などなど。
ある保護者の方は
「子どもの部活が朝早いから、土日の方が早起きなんだよね」
といって、豪快に笑っていました。
その保護者は部活に理解のある方でしたが、果たしてそんな保護者ばかりなのかな…、ということを思います。
自分だったら無理です。
部活は誰のため?
部活動というのは、「生徒のため」のものだと思っています。
ですが、生徒の様子を見ていると、
「先生の情熱のために、一部の生徒が犠牲になっている」
ような気もしてきます。
また、
「先生」という立場を利用して、保護者に無理強いをしていないか。
そんなことも感じられます。
「部活が最優先事項なのだから、他のことに多少のしわ寄せが出てもしょうがない。」
先生方にそういった意図はなくても、やっていることからすると、そういった姿勢が透けて見える。
だから、私は部活が好きになれないのだと思います。
部活を指導する先生方も大変だと思います。
ですが、「こういった側面もある」ということを、一度考えてみていただきたいな。
そう思います。
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