目立たないけど、コツコツと

塾に通っている生徒には、色々な子がいます。

勉強が得意な子もいれば、苦手な子もいます。

勉強が得意な子は、テストでもいい成績を収めてくれますし、高校進学の実績も残してくれます。

ですが、そのような生徒ばかりを評価しているかというと、そんなことはありません。

たとえ勉強が苦手で点数が低くても、そこからコツコツと努力して、結果を伸ばしている子は立派だと思います。

今日は、そんなＯちゃんのお話しをしようと思います。

勉強が苦手な子

Ｏちゃんは、中２から塾に通うようになりました。

最初の面談の時、成績を確認したのですが、５教科で１００点ちょっと。

かなり低い点数でした。

面談の時に

「このままの成績では、ほとんど高校を選ぶことはできないですよ」

という話をしました。

また、

「中２の今から点数を上げていくとなると、相当頑張らないと厳しいよ」

という話もしました。

正直、

「これだけ厳しいことを言ったら、入らないで逃げちゃうかな」

と思いました。

ですが、塾に入りました。

どこから手をつければ…

体験授業をしながら、

「どのくらい力があるのか」

を確認しました。

英語と数学をやりましたが、

・英単語はほとんど書けない
・英文法は、be動詞がかろうじてわかるくらい
・数学は、計算からあやしい
・特に小学校（分数、小数）の計算があやしい

という状態でした。

「これは、どこから手をつけていけばいいのだろう…」

と、途方に暮れました。

特に計算に関しては、小学校からやり直すのがいいのですが、そんな時間はありません。

なので、「小学校の復習」については家でやるようにお願いして、

・英語は単語と中１の文法
・数学は中１の計算

をまずは練習するようにしました。

初めのうちは…

そんな感じで、復習から始めたのですが、最初のうちはなかなか進みませんでした。

塾での授業では一通り頑張っていました。

ですが、毎回出す「英単語」「計算」の宿題に関しては、やったりやらなかったり…。

「家でも練習しないと、力はつかないよ」

という話をするのですが、なかなか行動が伴わない。

そんな感じでしたので、テストの結果も最初のうちは、あまり変化なし。

「なかなか厳しいな…」

そう思っていました。

少しずつ前向きに

そんな調子でしたが、数ヶ月すると、少しずつ計算が解けるようになってきました。

以前はまったくダメだった分数の問題も解けるようになってきました。

聞くと

「家で、小学校の算数の復習をしています」

とのこと。

「家で練習している成果が出ていると思うよ」

そんな話をしました。

ちょうどその頃からでしょうか。

英単語もしっかりと覚えられるようになってきました。

「単語も確実に書けるようになってきたね」

という話をすると、嬉しそうにしていました。

結果はそれほど変わらず

そんな感じで迎えたテスト。

結果はよくなりましたが、まだまだ１００点台でした。

本人は不満そうでしたが、それでも前に比べれば結果は出ている。

「そんなにすぐには成果は出ないから、焦らずに今のペースでやっていこう」

そんな話をしました。

本人が思うような結果ではなかったので

「ここであきらめちゃうかな…」

と思っていましたが、くじけることなく、コツコツと努力を続けていきました。

結果が出る

そうして迎えた次の定期テスト。

始めて２００点を越えました。

「ギリギリ２００点越え」

という点数でしたが、目に見える形で結果が出ました。

特に数学は前回よりも３０点以上点数を伸ばしました。

「小学校の計算もまともにできなかったのになぁ…」

としみじみ思いつつ、

「つまづいているところに戻って、地道に練習を積み重ねれば、結果は出る」

ということを改めて思いました。

派手さはなくとも

「松本深志高校〇〇名合格！」
「松本県ヶ丘高校〇〇名合格！」

偏差値の高い高校に、たくさんの生徒が合格する

これも大事なことだと思います。

ですが、Ｏちゃんのように、たとえ勉強が苦手でも、自分なりにがんばることで、結果を残していく。

そうした生徒の成長も、同じくらい大事なことだと思っています。

大切なことは、勉強を通して、

「努力をすることの大切さ」
「努力を継続することで人は成長する」

そういったことに気づいたり、体感していってほしい。

目を引く結果ではないかもしれないけれども、

「１人１人の成長」を大事にする

このことを何よりも大切にしたい。

また、そういう場であり続けたい。

そう思っています。

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