数学を学ぶ意義
2023/8/2
社会では使わないのに…
「大人になって『関数』や『方程式』なんて使わないんだから、数学を学ぶ意味がわからない」
数学が苦手な生徒を中心に、たまに出てくる主張です。
「まあ、確かにそうだよな」
と思います。
その一方で、大人の立場からは
「若いうちに、数学は勉強しておいた方がいい」
という風に、感覚的に思います。
「もう少し具体的に、言葉で説得できるような理由はないかな」
と常々思っているのですが、最近生徒に数学の指導をしていて、
「数学を学ぶ意味は、これかな」
と思うことがいくつかありました。
今日はそのことについて、お話ししたいと思います。
数学で得られる「力」
生徒にとって数学を学ぶ目的は、
「問題が解けるようになる」
ということだと思います。
ですが、それ以外に、数学を学ぶことで、別の能力もつけられるように感じています。
その能力とは
①「正確性」
②「粘り強さ」
③「修正能力」
です。
①「正確性」とは、「答えを正確に導く力」です。
計算を指導していて思いますが、ほとんどの生徒は、基本的な計算のやり方はわかっています。
ですが、最後まで答えが導き出せない。
多くの人は
「解き方さえ知っていれば、答えは出せるだろう」
と考えています。
ですが、実際には、それができない人が多い。
理由は人それぞれ違いますが、
「最後まで正確に答えを導き出せない」
という部分は、共通しています。
こうした人は、社会に出ても苦労するのではないでしょうか。
仕事においても、「正確性」に難のある人は、評価がされないと思います。
②「粘り強さ」とは、「答えを出すまでに、試行錯誤する力」です。
数学が苦手な生徒は、あきらめが早い傾向が強いです。
あきらめが早いと、物事を成し遂げる確率はかなり低くなります。
社会に出て仕事をしても、始めからうまくいくということは、なかなかないと思います。
様々な失敗を経て、成功へと導いていく。
こうした経験を小さいうちにしておくことで、社会に出て困らなくなるように思います。
③「修正能力」とは、「間違えたところを自分で見つけて直す力」です。
数学が「伸びる」生徒と「伸び悩む」生徒の一番の違いが、ここです。
「伸びる」生徒は、自分で間違えたところを確認し、修正することができます。
自分で「問題点」を見つけることができる、と言えます。
こうした生徒は、練習を続けるうちに安定して成長していきます。
一方「伸び悩む」生徒は、問題を解いても解きっぱなしです。
「どこを間違えたのか」
を確認するクセがついていません。
なので、同じ問題を同じように繰り返し間違えます。
こうした生徒を見ていると、
「社会に出て仕事をしても、きっと同じ間違えを繰り返すんだろうな」
と思ってしまいます。
社会に出る準備
上記の力は、いずれも社会に出て必要とされる力だと思います。
数学を学ぶことを通じて
「社会に出る準備をすることができる」
これが、「数学を学ぶ意義」なのかな、ということを、最近強く思います。
「数学の点数を上げる」
ということは大事ですが、それとは別に、
「社会に出て困らないようにする力」
という部分も、あわせて養っていきたい。
そう思っています。
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