「英語ができる」その一方で
2024/7/26
ことわざ・漢字
夏期講習では受験生の国語の強化として
「ことわざ・漢字」
の練習をしています。
入試や模試などで聞かれるので、今から少しずつ知識を増やしていこうと思っています。
受験生に解かせてみて思うのは、
「本当に日本語を知らない生徒が多い」
ということです。
例えば
「藪から◯◯の話に驚く」
という問題がありました。
知っている人からすれば、「藪から」の言葉だけで、次に続く「棒」という言葉が出てくると思います。
ですが、生徒は選択問題の中で「声」というものを選んでいました。
私にとっては「常識だろう」と思っていたことわざだったのですが、それを知らない生徒が大勢いる。
そのことに少なからずショックを受けています。
英語ができても…
「漢字、ことわざ」を知らない生徒たちの中には、英語はしっかりとできている生徒が多いです。
こうした状況を見ていると、
「我々はいったい『何人』を育てているのだろう…」
と思ってしまいます。
英語ができた方が、これからの時代は有利なのかもしれません。
ですがその一方で、自国の文化である「ことわざ・漢字」を知らない子どもたちを生み出している。
別に「ことわざ・漢字」を知らないところで生きていけるのかもしれません。
ですが、先日シンガポールに赴任している大学の友人と飲む機会がありました。
その際に、友人から
「日本人は、自国の言葉を使うことができるが、それは恵まれている」
「我々が英語を話せるのは、外国に占領された歴史があるからで、仕方なく英語を使っている面もある」
という話を、現地の人からされた、という話を聞きました。
「英語を学ぶ」ということは、これからの時代、大事なことだと思います。
ですが、自国の文化を学ぶことを後回しにしてまで、英語教育を優先させるべきなのか。
「今、そこにある幸福」に気づかず、わざわざそれを放棄して、日本はどこへ向かおうとしているのか。
「ことわざ・漢字」を知らない生徒たちの姿を見ながら、ふとそのようなことを思いました。
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