「みはじ」は邪道か?
2025/6/13
「速さ」を覚える公式
「みはじ」というものがあります。
「速さ」の公式を覚える時に使います。

「速さ」の計算は、応用問題を中心によく出てきます。
なので、公式を覚えておくことは非常に重要です。
ですが、生徒たちはなかなか覚えられない。
なので、そうした「覚えられない」生徒たちを指導する上で、「みはじ」というのは非常に便利だと思います。
批判もある
一方で、小学校の先生の中には、あえて教えない方もいるようです。
「ただ公式だけ覚えても、意味がない」
とお考えなのだろうと思います。
塾の先生の中でも、
「単に形だけ覚えさせても、それは本当の意味で理解したことにならない」
とおっしゃって、あまり好ましくないように考えている方もいるようです。
私自身も、どちらかと言えばそうした考えに近いです。
「ただ公式だけ覚えても忘れる」
「本質的な理解が大事」
と思います。
実際に自分が速さの公式を習った後、問題を解いていきながら、
「公式に当てはめても解けない」
問題が出てきました。
「時速60kmで30分走った時の道のりは?」
公式に当てはめれば
「速さ✕時間=道のり」
になるので、
「60✕30=1800km」
となります。
これは明らかにおかしい。
「なんで公式を使ったのに、正しい答えが出ないのか」
そこで、あれこれ考えていくうちに
「そうか、時速というのは『1時間あたりに進む距離』を表しているのだな」
「だから速さを時間でかけ算すれば、その時間で進んだ距離が出るのだな」
「道のりを速さで割れば、その時にかかった時間が出るのだな」
ということに気づき、結局「速さ」というのは
「単位量あたり」
の考え方の1つなんだな、ということを認識しました。
このように「本質的な理解」ができると、わざわざ公式を覚えなくても問題は解けます。
また、応用問題が出てきた時も対応することができます。
そのような経験があるので、
「『公式だけ覚える』というのは、なんかちょっと違うんだよな…」
というのが、正直な意見です。
「できない生徒がゴロゴロいる」という現実
なので、私自身が学生の時は「みはじ」という考え方は、一応知ってはいましたが、使いませんでした。
そして
「公式だけ覚えると、かえって応用問題が解けなくなる」
と思っていたので、なるべく「みはじ」を使わずに指導しようとしました。
ですが、実際に生徒に接してみると、まあ、できない。
そもそも速さの公式に「道のり・速さ・時間」を使う、というところからおぼつかない。
このような生徒がゴロゴロしていました。
そうした現実を前にして、
「本質的な理解が重要」
と力説しても、生徒たちは待ってくれません。
仕方がないので「みはじ」を使って覚えさせると、少なくとも基本的な問題については解けるようになる。
「まずは基本問題だけでも、できるようにしていくことが大事」
そのように感じるようになりました。
まずは「できる」経験を積ませる
生徒というのは素直なものです。
できれば嬉しいしできなければ悲しい。
嬉しい状態にしてくれる人の言うことは聞きますが、悲しい状態にするような人の意見は聞きません。
生徒を指導する上で、色々コツはあると思うのですが、一番大事なのは
「この人の言う事を聞けば、とりあえず自分に何かいいことがある」
と思わせることだと感じています。
生徒たちの目はシビアです。
自分にとって「有益」だと思えば、素直に話を聞きますが、「無益」だと思えば、聞き流します。
なので、
「いかに早く生徒たちの信頼を勝ち取るか」
ということが重要になります。
その中で、生徒たちもわかりやすく判断できるのが
「できなかった問題ができるようになる」
「テストの点数が上がる」
ということになります。
いかにわかりやすい「結果」を生徒たちに実感させるか。
これが指導者の腕の見せどころだと思っています。
その中で「みはじ」というのは、非常に使い勝手がいい「ツール」だと思っています。
「本質的な理解」はその先
少しでもできないと、生徒は前向きに勉強しようとしません。
その状態で「本質的な理解」を求めても難しい。
まずは「できる」状態をある程度作っておいて、問題を解いていく上で「本質的な理解」を求めていく。
生徒たちにはそのようなアプローチの方がいいのではないか。
10年以上生徒を指導してきて、そのように感じています。
現実には、多くの生徒たちが
「公式を当てはめれば解ける」
簡単な問題でストップしてしまいます。
ただ、その中で「本質的な理解」までできるようになっていく生徒もいる。
そうした生徒を少しでも増やしていければいいな。
そう思っています。
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