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「書き写し」ができますか?

2026/6/30

「書き写し」の差

先日、新井紀子先生のYouTube動画を見ました。

新井紀子先生といえば、

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』

の著者としておなじみです。

リーディングスキルテストを開発し、子どもたちが教科書などの文章を正確に読めていないことに警鐘を鳴らしています。

その新井先生が動画の中で話されていたのが、

「文章を速く、正確に書き写せない子が多い」

ということでした。

一つの目安として、小学生であれば1分間に

「学年×10文字」

程度の文章を書き写せるかを見るそうです。

小学1年生なら10文字、小学4年生なら40文字、小学6年生なら60文字ということになります。

そして、学力の高い子ほど、文章を速く正確に書き写すことができる。

一方で、学力が低い子ほど、書き写すのに時間がかかる傾向があるという話でした。

文章を「固まり」として理解できるか

なぜ、そのような差が生まれるのでしょうか。

学力の高い子は、文章をある程度の「固まり」で捉えることができます。

例えば、

「昨日、家族と一緒に公園へ行きました」

という文章であれば、

「昨日、」
「家族と一緒に」
「公園へ行きました」

というように、文を「ある程度の固まり」として理解し、記憶してから書くことができます。

一方で、文章をまとまりとして捉えられない子は、一文字ずつ書き写します。

一文字見る→ノートに書く→また見本を見る→次の一文字を書く

この動作を何度も繰り返すため、非常に時間がかかります。

生徒の「書き写しの差」

この話を聞いて、非常に思い当たる節がありました。

うちの塾では、ノートを使って勉強しています。

教材の内容を書き写す場面が多いのですが、学力の高い生徒は、速く正確に書くことができます。

一方、学力が低い生徒は、遅く、不正確です。

「書き写す」という作業だけで、力を使い果たしているように見えることがあります。

何度も見本とノートを往復する。
写す場所を見失う。
文字を飛ばす。
問題を書き間違える。

書き写しが終わった頃には、すでにヘトヘト。

本来であれば、ノートに書き写したその後に

「内容を理解する」
「問題について考える」

という過程があります。

しかし、書き写すだけで力を使い果たしてしまっているので、肝心の頭を使う場面で集中力が残っていない。

そんな印象を受けます。

「書き写す」練習ができていない

新井先生は、

「最近の学校ではプリント学習や、問題集に直接答えを書き込む勉強が増え、文章を書き写す経験が減っている」

とも指摘されていました。

確かに、プリントや書き込み式の教材は便利です。

授業も速く進みますし、子どもの負担も減ります。

ただ、その便利さと引き換えに、

「見本を見て、正確に書き写す力」

が十分に育たなくなっている気がします。

ただ、逆に考えれば、書き写しは「練習によって鍛えられる」ということです。

文章を、意味のまとまりで読み、覚え、正確に書く。

この練習を繰り返すことで、文章を読む力や、情報を整理する力も少しずつ育っていくのではないかと思います。

実際に、新井先生の考えを取り入れた自治体や学校では、学力の向上が見られた例もあるそうです。

もちろん、書き写しだけをすれば、すぐに成績が上がるという単純な話ではありません。

ただ、「速く正確に書き写せる」ことは、学力を計る、一つの手がかりにはなると思います。

まずは、やってみる

まずは、ご家庭でお子様の「書き写す力」を確認してみてください。

どの教科でも構いません。

教科書の中から、ある程度の長さの文章を選び、見本を見ながらノートに書き写しをさせてみてください。

その際に

速く書けるか。
正確に書けるか。
何度くらい見本を確認するか。

をチェックしてみて下さい。

実際にやってみると、驚くほど書き写せない子がいると思います。

「ただ写すだけだから、簡単だろう」

と考えてはいけません。

文章を正確に書き写すためには、色々な力が要求されます。

そして、これらはすべて、勉強をスムーズに進めるための土台となる力です。

ぜひお子様の「書き写す力」を確認してみて下さい。

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