「やる気スイッチ」はない
2026/8/31
「やる気スイッチ」
某塾の有名な言葉に、「やる気スイッチ」というものがあります。
とても、うまい言葉だと思います。
人が成長していく上で、「本人のやる気」は非常に重要です。
勉強に限らず、スポーツでも仕事でも、指導する側は、
「どうすれば本人のやる気を引き出せるか」
ということに苦労しているのではないでしょうか。
ただ、この「やる気スイッチ」について、私は、
「そんなに便利なスイッチは、実際にはないのではないか」
と思っています。
心に響く言葉が、いつも出てくるわけではない
理想を言えば、指導者が教え子の琴線に触れるような言葉をかけ、その一言で本人が奮起する。
そんなことができれば最高です。
しかし、現実には、そう都合よく「金言」が出てくるわけではありません。
また、仮に心に響く言葉があったとしても、それは長い時間をかけて築き上げた信頼関係があるからこそ、届くものなのだと思います。
誰が言っても同じように響くわけではありません。
さらに、圧倒的なカリスマ性で人を動かせる指導者もいるのでしょうが、そんな人はごく一部です。
少なくとも、私自身にそんなカリスマ性があるとは思っていません。
では、凡人である我々が、生徒のやる気をどう引き出せばよいのでしょうか。
まずは「行動させる」
結局のところ、
「とにかく、まず動かす」
しかないのではないかと思っています。
やる気が出ないときに、
「やる気が出るまで待とう」
と思っていても、なかなかやる気は出てきません。
以前、YouTubeだったか本だったか忘れてしまいましたが、
「やる気が出ないときには、ほんの少しでよいから行動する」
ことが大切だ、という話を見たことがあります。
しかも、その「少し」は、本当に小さなものでよいそうです。
例えば勉強なら、
「普段は漢字をノート1ページやるけれど、今日はどうしてもやる気が出ない」
という日があったとします。
そんな日は、
「今日はノートを開くだけで終わり」
くらいでもよい。
とにかく、ノートを開く。
すると不思議なもので、
「せっかく開いたから、一問くらいやるか」
「一問やったから、もう少しやるか」
という気持ちになることがあります。
最初から1ページやろうとすると、気持ちが萎える。
しかし、「ノートを開くだけ」ならできる。
その小さな第一歩が、次の行動につながります。
私の経験談
これは、生徒だけの話ではありません。
私自身も仕事をしていて、
「今日は、どうもやる気が出ないな…」
という日があります。
そんな時には
「今日は軽いことを一つだけやろう」
と考えます。
本当に「ちょっとしたことをやったら終わり」のつもりで始める。
すると、
「せっかく始めたから、もう少しやってみるか」
という感じで、そのまま仕事が進むことがあります。
やる気が出たから行動したのではなく、
ちょっと動いたら、少しやる気が出てきた
という感じです。
「やる気が出るまで待つ」は意味がない
個人的には、
「やる気が出るまで待つ」
というやり方は、意味がないかなと思っています。
若い頃、特に学生時代はこの考え方で「やる気」が出るのを待って、かなり無駄な時間を過ごしてしまったように思います。
「やる気満々」
という状態を、長く持続するのは難しい。
むしろやる気というものは、「少し動いた後に、何となく出てくる」ことの方が多いのではないか。
最近はそのように感じています。
だから勉強でも、どうしてもやる気が出ない時に
「いつも通りやらなければ…」
と自分を追い込まない方がよさそうです。
やる気が出ない時には、「ちょっとしたこと」をやってOKとする。
まず机に座る。
教材を開く。
英単語を一つだけ見る。
計算問題を一問だけ解く。
そのくらいの小さな行動で構いません。
大切なのは、
「完全に立ち止まってしまう状態を続けない」
ことです。
指導者の役割は「第一歩」を踏み出させること
便利な「やる気スイッチ」というものは、おそらくありません。
しかし、小さな行動をきっかけに、やる気が後からついてくることはあると思います。
だからこそ、
いかに生徒に「第一歩」を踏み出させるか。
そこが、指導者の腕の見せ所なのかな、と思います。
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