「なが模試」の特徴
2022/11/8
長野県の高校入試対応の模試というと
・信学会模試
・なが模試
の2つがあります。
それぞれの特徴について、比較して見ようと思います。
昨日は「信学会模試」の特徴についてお話ししました。
今日は「なが模試」です。
新しくできた模試
「なが模試」は、確か6年ほど前(2016年)から始まった模試だと記憶しています。
というのも「ちょうどうちの塾ができたのと同じくらいに始まった」からです。
長野県内の大手塾(「いずみ塾」や「松ゼミ」)が中心となって立ち上げた模試であったと記憶しています。
というわけで、「信学会模試」と比べると歴史は浅いですが、「なが模試」のいいところもたくさんあります。
良いところ
①合格判定の信用度が高い
②現実に近い偏差値
③受験会場がたくさんある
①に関しては、
なが模試の場合は、「S~E判定」まで、6段階の評価が出ます。
信学会模試の場合、最低評価の「C判定」でも、合格可能性があります。
ですが、なが模試で「D・E判定」が出ている場合、
「かなり合格可能性は低い」
と言えます。
なので、信学会模試と比べると、合格判定の出し方は誠実だという感じがします。
②に関しては、
なが模試は、色々な塾の生徒が受験しています。
そのため「幅広い学力層」の生徒が受験しています。
一般的に、松本深志の合格偏差値は「66前後」と言われていますが、こちらの数値に近い数値が出るのが、なが模試だと思います。
一方、信学会模試の場合は、受験者のレベルが高いため、「実際の偏差値」よりも低い数値が出やすいです。
そのため、十分に実力があるのに
「合格偏差値に届いていないからダメだ…」
と勘違いしてしまうおそれがあります。
なが模試の偏差値の方が、そういうズレは小さいと思います。
③に関しては、
なが模試は「本会場」の他に、色々な塾が「準会場」として模試を実施しています。
うちの塾でも、「なが模試」をやっています(塾生のみ対象ですが)。
信学会模試は、信学会の教室まで行かないと受験できませんが、なが模試は、近くの塾が「準会場」となっていれば、受けられます。
「遠くまで行かなくても受けられる」のが、なが模試のいいところです。
イマイチなところ
①問題が入試傾向とやや違う
②「本番に近い雰囲気」が出しにくい
③1月上旬で終わってしまう
①についてですが、
信学会の問題と比べると、なが模試の問題は「入試傾向に沿っていない」と感じる時があります。
信学会模試の問題を見ると、
「さすがだな…」
「よくこんな問題作れるな…」
と感心する問題が多いです。
なが模試も悪くはないのですが、たまに
「これはあまり出ないかな…」
と思うような問題があります。
「問題の質」という面では、まだまだ信学会の方が上、と感じます。
②については、
いいところの「裏返し」になってしまうのですが、なが模試は、色々な塾が試験会場となっています。
そのため、「自分が通っている塾」がそのまま試験会場となるケースが多いと思われます。
「慣れた環境で受験できる」というのは、一方で
「本番に近い雰囲気が作りにくい」
ということにもなります。
信学会の模試は「信学会」でしか受験できません。
なので、うちの塾のような個人塾に通う生徒からすれば、「武者修行」のような形で利用することができます。
なが模試も、準会場の他に「本会場」という、塾以外の会場も用意されています。
が、すぐに定員になってしまうため、「使いにくい」というのが、正直なところです。
本番に近い「緊張感」が作りにくいのが、なが模試のイマイチなところです。
③ですが、
なが模試は、1月の上旬(通常第2日曜日)が最終回となります。
なので、それ以降の成績については判定できません。
年明けに急激に伸びる生徒もいるので、そうした生徒の実力が計れないのが、なが模試の痛いところです。
信学会は2月まで模試があります。
ギリギリまで実力を計ることができます。
そういった面からすると
「土壇場で頼りになるのは信学会模試」
と言えると思います。
受験した方がいい人
以上より、「なが模試」を受験した方がいい人をまとめると、
①正確な実力を計りたい生徒
②「美須々」「大町岳陽」「豊科」などの、上位校以外を受験予定の生徒
となります。
信学会模試はレベルが高くていいのですが、その分
「一般的な評価よりも、厳しい評価が出やすい」
と言えます。
そこで「なにくそっ!」と思って頑張れればいいのですが、そうはならずに、ひよってしまうことの方が多いです。
なので、まずは「なが模試」で一般的な評価を得た上で、自信が出てきたら「信学会模試」を受ける、という流れの方がいいように思います。
また、「深志」「県ヶ丘」「蟻ヶ崎」などの上位校以外を希望する生徒が、信学会模試を受験すると「自信をなくす」おそれがあります。
なので、上位校以外を志望する生徒が信学会模試を受ける場合は、判定はあまり気にせず、
・力試し
・本番への慣れ
・弱点の強化
というように、明確に目的を持って受験した方がいいです。
そうしないと、予想以上に低い成績が出て、自信をなくしかねません。
迷ったらまずは「なが模試」。
実力がついてきたら「信学会模試」。
これが、上手な模試の使い方だと思います。
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