「褒めなさい」というけれど
2023/5/24
子どもの接し方、今と昔
子どもとの接し方は、昔と今ではだいぶ違います。
昔は「厳しく接する」ということが称賛されていました。
子供の頃に、親?から言われたことで、今でも覚えているのは、
「フランスでは、子どもは『犬や猫』と同じように扱われる。日本の親は、子どもに対してまだ甘い」
ということ。
子どもながらに「マジかよ…」と思いつつ、要領のいい私は、右から左へと、その話を聞き流していました。
最近は、どちらかというと「ガミガミ叱っちゃダメ」という風潮だと思います。
「なぜそれをしてはいけないか、子どもに説得するように話す」
「頭ごなしに怒鳴っても、子どもはかえってやる気をなくす」
「まずは子どもの話をきちんと聞く」
などなど。
「親は、子どもの立場に立って考えるべき」という考え方が強いかな、と思います。
セミナーなどで話を聞いていても、そういった意見が多いように思います。
親だって「人間」
私もどちらかと言えば、「頭ごなしに怒鳴る」のは好きではないタイプです。
小さい頃に怒られた時も
「そんなにガミガミ言わなくても、普通に言えば理解するよ…」
「ていうか、これ八つ当たりじゃないか…?」
と思って、親や大人のお叱りを受けていた記憶があります。
なので、
「自分が大人になったら、あまりガミガミ言うのは止めておこう」
そう思って、今があります。
ただ、その一方で、親と同じような年齢になり、親が子どもに対して「怒る」気持ちも分かるようになりました。
以前、保護者面談をしていた時のこと。
真面目なお母さんの話。
「子どもを頭ごなしに怒っちゃいけないから、なるべく冷静に話すようにしているのですが…」
と、悩みを打ち明けられました。
そりゃ息子が、朝から晩まで勉強もせず、ひたすらゲームとYou Tubeにひたる生活をしているのを見たら、親じゃなくても怒りたくなる。
そう思います。
確かに「子どもの立場に立って考える」ことは大事だと思います。
ですが、親もまた「人間」です。
仕事や家事で疲れている時もあるだろうし、機嫌が悪い時もある。
「俺が頑張って仕事で稼いでいるのに、お前らは、なにちんたら遊んでいるんだ!」
そう思ってしまうのも、また人情です。
なので、親の感情を子どもにぶつけることがあってもいいのではないか。
そのように思います。
なかなか講演会の講師の方がおっしゃるような、「理想的な形」というのは、現実では難しいような気がします。
不条理にも慣らしておく
今は、あまりにも「キレイ」に子どもたちを育てようとしすぎて、「純粋培養」され過ぎな気がします。
世の中に出れば、「不条理」なことは山ほどあります。
小さい頃から、あまりにも人間の「キレイな側面」ばかりを見せて育ててしまったら、大人になって人間の「汚い部分」を見た時に、対処できないのではないか。
そんなことを思います。
なんでもかんでも「褒める」のではなく、「いいな」と思った時は「褒める」。「コノヤロー」と思った時は、容赦なく「叱る」。
感情に任せて子どもと接することも、時には大事なように思います。
※猿田塾へのお問い合わせは、こちらから