面倒見の「悪い」塾
2023/12/4
面倒見の「いい」塾
塾の広告を見ていると、
「面倒見がいい」
ということを売りにしているところがあります。というよりも、そうした塾の方が圧倒的に多いです。
お子様一人一人に対して、懇切丁寧に接している。
「先生に丁寧に見てもらえば、成績もよくなる」
そう思っている保護者の方も多く、そうした考え方が一般的だと思います。
そうした基準からすると、当塾は
面倒見の「悪い」塾
になるのかな、と思っています。
講師の面倒見は悪い
当塾では、私が一人で生徒を指導しています。
「家庭教師」や「個別指導」といわれる、生徒の近くに先生が常にいて教える、という形ではありません。
同じ時間帯に、4~8名くらいの生徒がいることが多いです。
その子達と、まんべんなく接しているので、「家庭教師」「個別指導」と比べると、「生徒への密着度」という意味では、かなり薄くなると思います。
また、
「質問があったら何でも答える」
という塾もあると思いますが、当塾では、あえて答えない場合があります。
「この子は考えるのが面倒だから、質問して終わらせようと思っているな」
そう感じた時には、
「まずは自分で考えて、わかったら教えて」
といって、冷たく突き放します。
あるいは
「なんでその部分がわからないのかな?もう一度考えてみたら?」
というように、「質問を質問で返す」吉良吉影であれば激怒するような対応をする場合もあります。
「生徒たちの不安に、優しく寄り添う」
という感じではないので、そういう意味では、他の塾と違い
面倒見が「悪い」塾
なのだろうと思っています。
面倒見は「悪い」が…
ただ一方で、このように講師の面倒見が「悪い」からでしょうか。
生徒たちは非常に「優しい」子が多いです。
例えば、私がある生徒に教えていて、手が塞がっている時。
他の生徒で、課題が終わった生徒は、私がどちらを見ればいいか、あたふたしている様子を見ると、
「終わったので先に進めます」
という報告だけをして、自分で判断して次の課題に進めていきます。
特に中3くらいになると、こちらが「困っている」という雰囲気を感じてくれて、自分で判断して進めていってくれます。
また、私が本棚から持ち出したテキストなどについても、
「悪いけど、ちょっと戻しておいて」
という風に頼むと、戻してくれる生徒もいます。
講師一人であたふたしていると、生徒たちが優しくフォローしてくれる。
そんな感じです。
ある意味、私の塾は
「生徒たちの優しさで成り立っている」
部分もあると思っています。
手をかけないと、かえって育つ
当塾では、「自立」ということを重視しています。
「自分の頭で考えて行動する」
これからの時代は、そうした人材が求められていると感じるからです。
そうした人材を育てていく、ということを考えた時、
「面倒見がよすぎる」
というのも考えものではないか。
そう思っています。
正直、今の子どもたちは、
「手をかけられすぎている」
ように感じています。
子どものうちはそれでもいいのかもしれません。
ですが、大人になると、やがて自分で判断していかなければなりません。
そのような時に、小さい頃からあれこれと手をかけられすぎてきた子どもでは、大人になって急に
「自分で判断しなさい」
と言われても、できないのではないか。
そう思います。
小さいうちに、
「自分で判断して、行動する」
ということを少しずつ経験しておく。
時には失敗することもあります。
ですが、子どものうちの失敗は「大怪我」になることはありません。
そうした「失敗」を経験していくことで、大人になった時に、自分で正しい判断をすることができる。
そのように思います。
実際に、ある程度生徒に任せておけば、自分で正しい行動をとれるようになっていきます。
むしろ、あまり目をかけすぎてしまうと、講師に依存してしまい
「言われなければ、何もできない」
という風になってしまいます。
「生徒たちには、自分の頭で考えて、自分の人生を歩んでいってほしい」
そう思っていますので、これからも当塾は、面倒見の「悪い」塾であり続けようと思っています。
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