令和6年度長野県公立高校入試感想(数学)
2024/3/7
昨日行われた
「令和6年度長野県公立高校入試」
の問題を解いて、感想を述べようと思います。
今日は「数学」です。
やや難しい
まず、全体を通しての印象ですが、
「昨年よりも解きにくい」
という印象を受けました。
また、考えさせられる問題がいくつかあるので、50分で全部解くのは、かなり厳しいように思います。
そして、
「生徒が苦手にするような問題が多い」
という感じもしました。
なので、「昨年よりもやや難しい」という気がします。
昨年の平均点は「51.1点」でした。
今年は少し下がって「45~50点」くらいになるのではないかと予想します。
問1は普通
大問ごとに見ていくと、問1は「普通」という気がします。
ただ、「生徒が間違えそうだな…」という問題がいくつかありました。
(3)(6)(9)などは、意外に正答率が低くなるような気がします。
一方、作図は基本的な問題でした。
ここ数年、作図は基本的な問題が続いています。
なので、作図はしっかりと取りたいところです。
問2はややこしい
昨年「問2がカギを握る」という話をしました。
今年も同じような印象です。
「問2の問題がどれだけ解けたか」
で、数学は差がつくような気がします。
Ⅰはヒストグラムと連立方程式の問題でした。
(1)のヒストグラムの問題は、基本的な内容だと思います。
(2)は連立方程式の問題でした。ここで差がつくと思います。
「冬さんの連立方程式」
が何を意味しているのか、が理解できたかどうかで差がつくと思います。
Ⅱは球と円錐についての問題でした。
それほど難しくないですが、(2)が解けたかどうかで差がつきます。
問3はⅡの出来次第
問3はⅠが一次関数、Ⅱが反比例を使った問題でした。
Ⅰは「yの値がマイナスになる」という点が少し変わっています。
その部分がきちんと理解できたかで差がつくように思います。
その部分が理解できれば、内容自体はオーソドックスな問題だと思います。
Ⅱは反比例を使った問題でしたが、反比例は手薄になりがちなところです。
なので、あまり解けなかった生徒が多いような気がします。
また(2)②では、「面積を二等分する」問題が出ました。
ここはあまり学校ではやらないところですが、過去問ではバンバン出てくる典型問題です。
「過去問を使った練習」の重要性を、改めて感じました。
問4は解きにくい
問4は回転移動を使った問題でした。
回転移動はやや手薄になりがちなところです。
また、図形の移動の中でも、回転移動は苦手にする生徒が多いです。
なので、全体的にかなり苦戦したのではないでしょうか。
(2)①の証明の穴埋めのところで、どれだけ正確に答えられたかがカギを握るような気がします。
証明は、相似の「2組の辺の比とその間の角」を使った証明が出ました。
相似の証明だと「2組の角」を使った証明が一般的なので、ちょっと面食らったのではないかと思います。
幅広く証明の準備ができたかどうかで差がついたと思います。
なお(4)に関しては難しいし、解いている時間もなかったと思います。
ほとんどの生徒ができなかったと思うので、解けなくてもそれほど気にする必要はないと思います。
今後の対策
昨年に比べると、今年の問題はちょっと解きにくい印象でした。
というのも
「本質的な理解ができているか」
という部分が問われる問題が多い内容だったからです。
「なんとなく」「機械的に」
解いている生徒にとっては、今年の問題はかなり難しく感じたのではないでしょうか。
そして、「そのような生徒が多い」という事実もあります。
毎年長野県の数学の入試問題を解いていて、いつも思うのは、
「小手先だけのテクニックだけでは、とても太刀打ちできないな」
ということです。
ただ問題を解いて「答えが出たらOK」で止まるのではなく、
「なぜそのように解くのか」
「自分が解いた答えは、何を意味しているのか」
といった、本質的な部分についての理解まで、問題演習を通して行う。
そうした地道な取り組みが、数学での得点につながると思います。
その意味でも、やはり
「過去問演習」
の重要性を感じました。
過去問のような「考えさせられる」問題をたくさん解いて、どれだけ考える練習をするか。
そうした勉強ができるかどうかで、数学の結果は変わってくると思います。
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