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夢は叶う

2018/3/18

「はたして生徒は集まるのだろうか…」
今から2年前、
机と椅子だけが置かれた誰もいない部屋で、
一人弁当を食べながら
不安に思ったことを
昨日のことの様に思い出す。
「いつかこの部屋を、生徒の笑い声と
勉強する姿で一杯にするんだ」
そう高い理想は持っていたものの、
ガランとした部屋に一人ぽつんといる
自分はあまりにも無力な存在だった。
「チラシを見れば、誰か必ず電話してくれる」
それは祈りに近い願いだった。
待っている時間は長く感じられ、
「このままずっと何も起きないのでは…」
と思っていた。
すると
「チラシを見たのですが…」
という一本の電話。
そこから全てが始まった。
「最初は4人くらい集まってもらえれば
 上出来だな。」
と思っていたが、
最終的に8人からスタートできた。
幸先の良いスタートが切れた。
「思ったよりも生徒が集まってよかった」
と一安心していたが、
そこから先は苦しみの連続だった。
生徒が思うように増えない。
入った生徒が辞める。
思うように成績が上がっていかない。
自分の理想と現実がかけ離れたまま、
それでもガムシャラにもがきながら、
最初の2016年度は終わった。
全員無事に高校に送り出すことは出来たが、
「もっと自分にできることはなかったのか?」
自問自答する日々だった。
そして今年2017年度。
開校当初から通ってくれていた
生徒が多かったので、
「今年は勝負の年になる」
と思い、スタートした。
しかし、今年も苦しい日々だった。
3年生のテスト範囲は一気に広くなるため、
点数が大幅に下がることはわかっていた。
しかし、実際に現実に点数が下がり、
落ち込む生徒、保護者の様子を見ていると、
自分まで流されてしまいそうになった。
「自分のやり方は間違っているのではないか」
「他の塾の方がしっかりとしたやり方で
 効率よく指導できているのではないか…」
実績の少ない、ちっぽけな塾の講師である
自分にできたことは
「他のどの塾よりも生徒に勉強させる」
「どの塾よりも、生徒一人一人に目をかける」
「生徒のことを誰よりも考えて、
 生徒にあった言葉をかける」
それだけだった。
だから、講習は月曜~土曜まで、
午前中から夜遅くまで行った。
テスト前には、土日も教室を開けて
生徒達の勉強に付き合った。
日曜に授業を終えて帰る時、
周りの塾を見ても、電気がついている
塾なんてなかった。
「ここまでやる必要はあるのか?」
「俺はただ、生徒に無理やり努力を強いて
 迷わせているだけではないか…」
周りから「そこまでやらなくても…」と
言われたこともある。
でも、自分には曲げられない信念があった。
「最後は誰よりも努力をしたものが勝つ」
結果が思うように出なかったので、
教材「ミラクルロード」の使い方にも
迷いが生じた。
「本当にこれをやっていれば
 成績が上がるのか?」
導入当初は自信を持っていたが、
思い通りに結果が出ない現実に直面し、
疑問を抱いたこともある。
だが、最終的には「これしかない」
と思った。
そう思えたのは、
学校でのテストではなかなか点数として
反映されなかったが、
なが模試での結果が出ていたこと、
そして自分で一通り全部解いてみて、
「もし自分が3年間の総まとめをする時は、
 ミラクルロードを使うだろう」
と思えたことだった。
そして何より、今年の3年生はみんな
素直でいい子達ばかりだった。
「この素晴らしい子達に、
 自分がいいと思った学習法で指導して、
 それでも結果が出なかったら、塾を閉めよう」
そう思った瞬間、腹をくくることが出来た。
自分が迷えば、生徒も迷う。
心の中ではそれでも不安だったが、
子供達の前では自信を持って
ミラクルロードを解かせた。
「何やるか迷ったら、
 とりあえずミラクルロードを解け」
と。
そして合格発表当日。
「まだか~、まだか~」と待っていると、
最初の電話が。
「先生、蟻ヶ崎受かりました!」
「そうか、おめでとう!合格者第一号だ!」
まずは一安心。
しかしその後が続かない。
合格発表はどの高校も
同じタイミングだろうに、
なんでこんなに連絡が来ないんだ?
まさか、他の子は…。
そう思っていたら、
近くの高校を受けた子が直接
合格の報告をしに来てくれた。
ホッとしておめでとうの言葉を交わし、
教室に戻って電話を見ると
着信が1件。
慌ててかけ直すと、
深志を受けた子からだった。
「受かりました。」
「おめでとう。ようこそ、我が母校へ!」
この言葉を言いたくて、
2年間共に頑張ってきた。
あと2人。
うち1人は一番心配していた生徒。
そこからまたしばらく間隔が空く。
「まだ来ない、まだ来ない…」
「やはりダメだったか…」
そう思っていたら電話がなった。
着信を見た瞬間、
心配していた生徒からの
電話だとわかった。
声の様子を聞いて、結果を確信した。
「先生、受かりました。やりました!」
「おお、そうか。やった、でかした。
 正直、君が一番心配だった!」
残るは1人。
一番最初に電話で問い合わせをくれた
生徒だった。
正直、後期を受けた中で一番自信が
あった生徒だったのに電話がない。
「まさか、まさか…」
そう心配していると、最後の報告が。
「いや~、先生、受かっちゃいましたね~」
「バカ!はやく電話しろ!
 余計な心配しちまったじゃねーか!」
こうして、全員合格という最高の結果をもって
2017年度を終えることができた。
時間を少し遡る。
前職、着任当初は最悪だった。
前任の教室長が逃げるように辞めていた。
その責任を全部自分が
取らなければならなかった。
着任したばかりで状況が全くわからない。
入社した時も細かい説明は聞かされていなかった。
はっきり言えば「だまされた」と思った。
頼りにしていた
事務のアルバイトに逃げられ、
全ての責任を負わされ、
同僚である講師達からは
「お前もすぐに辞めるんだろ」という
冷たい目で見られた。
それでもなお歯を食いしばって耐えながら、
「いつか、自分の教室を持ち、
自分の理想とする教育をするんだ。
そして自分の手で生徒を合格させるんだ。」
いつの日か…、
そう思って頑張ってきた。
その夢がついに現実となった。
正直、あまり「夢」という言葉は使いたくない。
なにかメルヘンな、ファンタジーな、
ふわふわしたものを感じるからだ。
だけど今、この状況を言い表す言葉を
色々考えてみたのだけれど、
この言葉しかどうしても思いつかなかった。
夢は叶う
最後に生徒(2期生になるのかな)のみんな、
本当にありがとう。
君達の「頑張り」と「笑顔」に
自分は何度も救われました。
そして、このような小さな小さな塾を
信じて通っていただいた
保護者の皆様には
感謝の言葉以外、何も浮かびません。
ご子息は皆、立派に成長されたと思います。
机や椅子は中古品。
最先端の特別なIT技術などない。
建物は築数十年の古い一軒家。
大手と比べれば、
吹けば飛ぶようなちっぽけな塾。
そんな環境であっても、
「努力」と「情熱」さえあれば
結果は出せる。
それを子供達が見事に証明してくれました。
本当にありがとう。
自分は子供達に勉強を教えているようで、
子供達から多くのことを教わっていた。
そう思います。
感傷に浸るのはこれで終わりです。
既に来年度に向けた闘いは始まっています。
今の2年生(3期生)は、
今年の3年生と全然違いますが、
彼ら、彼女らがどのように成長していくのか、
今から本当に楽しみです。
改善点もたくさんあります。
今年1年を通して足りないこと、
やらなければならないことがたくさん見えました。
一足飛びにはできませんが、
今年と同じ様に、生徒達と共に
一歩一歩自分も成長していきたいと思います。
長かった。
苦しかった。
辛かった。
何度「逃げたい」と思ったことかわからない。
でも、子供達の笑顔に救われた。
よく笑った。
楽しかった。
あっという間に終わった。
全てがいい思い出です。
この1年のことを、
自分は生涯忘れることはない。
そう思う。

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