英語は大事だが…
2018/9/19
先日のブログの中で、
「高校入試の英語事情」について
お話しました。
簡単にまとめると、
長野県の場合、上位層にとっては
高校入試の英語の問題が簡単なので、
油断していると他県の子に負ける」
という内容でした。
それは保護者の方も
気づいておられるようで、
「英語」を小学生のうちから
習わせている、
というご家庭のお子さんが
結構いらっしゃいます。
ですが、小中学生を指導している
立場からすると、
「小学生からの英語教育はあまり
意味がない。」
という実感を持っています。
むしろ、「英語が大事」という
世間の風潮のせいで
最も重要な学力をつける時間が
奪われている印象すら受けます。
小学生のうちで最も重要な学力、
それは「国語」です。
母国語である国語力は
あらゆる教科を理解する上で
基礎となる力です。
「読む」「書く」といったことから、
「文章を読んでイメージする」
「問題文が何を聞いているのか把握する」
というように、「何かを考える」という時に、
日本人であれば普通は
日本語で考えます。
なので、国語の力が乏しいと
「読めない」「書けない」という以外に
「考えられない」
「理解できない」
という状況に陥ってしまいます。
中学生から通っている子で
伸び悩む子は、ほぼ例外なく
「国語」の成績が悪いです。
そうした状況を見ているので、
小学生の生徒に対して
一番腐心しているのは、
「いかに国語力を身につけさせるか」
という点です。
逆に言えば、
国語がある程度の実力になれば
あとは中学に入ってからも
十分伸ばせると思っています。
小学生でしっかりとした国語力を
身につけておけば、
あとは中学で自分からドンドン
知識を吸収していきます。
第二言語である英語を習得するには
母語である第一言語の国語を
しっかりと身につけていなければ
満足な成果を得られない。
そうした意見もあり、私も同意見です。
それが証拠として、帰国子女の子が
日本の中学・高校で勉強する時に
一番困るのが、
「日本語が理解できない」
ということだそうです。
国語がしっかりとしていれば、
数学や社会といった幅広い教養を
身につけさせることができるのに、
国語が不十分なゆえに、
そうした知識を身につけることができない。
低学年のうちはとにかく「国語」。
もし小学生で「英語」をやるのであれば、
ある程度国語の実力がしっかりと
身についた上でやるべきだと
思います。
そうしなければ、国語と英語、
どちらもダメになる恐れがあります。
心配して早くから英語を
学ばせたのに、
英語は理解できていない。
国語も不十分。
それは「悲劇」と言えるのでは
ないでしょうか。