小5に「速さ」を教えていて気づいたこと
2020/2/5
2020年4月、つまり今年の4月から
小学校は新しい教科書になります。
それにさきがけて、対象となる学年では
「移行措置」が取られています。
例えば「速さ」は今までは6年生で習っていましたが、
今年から5年生で勉強するようになっています。
「速さ」は中学になってから、
特に「方程式」の問題でよく出てくるところです。
小学校の内容がしっかりと身についていないと
中学で対応できません。
なので、特に練習しておきたい単元です。
そういうわけで、塾の生徒には
「速さ」の単元を徹底して練習させています。
そこで気がついたことがあります。
先日、小5の生徒に
速さの文章題を解かせていたところ、
生徒の手が止まっていました。
「やったことがないからわからない」
とのことでした。
その問題は、このような問題でした。
「時速60kmで20分進んだ時の道のりを求めよ」
この問題は、「20分」を「1/3時間」に直してから
「速さ×時間=道のり」の公式に当てはめて、
時速60km×1/3時間=20km
と答えなければなりません。
この問題は、中学生でもかなり間違えます。
「20分を1/3時間に直す」という
単位の変換がよくわかっていないからです。
逆にいえば、ここがしっかりと理解できていれば、
中学の方程式の問題でもつまづく可能性が
低くなります。
ですので、
「ここは気合を入れて教えなければ」と思い、
生徒に教えました。
私「20分が1/3時間になることはわかる?
生徒「わかります」
私「じゃあ道のりはどうやったら出る?」
生徒「速さ×時間です」
私「じゃあ式は?」
生徒「60×1/3です」
私「よし、じゃあやってみよう!」
生徒「…」
速さの問題で一番気をつけるべき
「単位の変換」は理解できている。
あとは計算するだけなのに、
ここで生徒の手が止まる。
「あれ?こんな簡単な計算で
止まるような子じゃないんだけどな…」
と思っていたら、ふと気がつきました。
移行措置の影響で、
これまで5年生で習っていた
「分数×整数」「分数÷整数」の計算を
今年の5年生は6年生で習うことになりました。
なので生徒は、「分数の計算」のやり方が
わからなくて止まっていたのです。
「そうだった。分数計算の方を
まだ習っていなかった。
さてどうしようかな…」
一瞬、悩みました。
そこまで難しい計算ではないので、
教えればおそらく理解することはできたと思います。
ですが、この生徒は慎重な子で
「学校で教わったことのないことはできない」
と思い込むタイプでした。
なので、この問題は一旦保留にしました。
その後生徒に色々聞きましたが、
おそらく今年の5年生は「整数」の計算でしか
速さの問題をやっていないように思います。
そうなると、速さの問題で
一番ポイントとなる「単位の変換」を
からめた問題はやっていないように感じました。
4月から始まる新しい指導要領では
おそらく6年生でこの速さの計算に
触れることになると思います。
ですが、どこかの単元の「応用問題」として
触れることになると思います。
その場合、「速さ」の公式を一旦思い出させてから
また教える形になるので、ちょっと面倒ですし、
それで生徒が理解できるか不安です。
そうなると、中学の方程式で速さの問題をやった時に、
つまづく生徒が更に増えてしまうかもしれません。
気をつけて6年生の内容を確認しようと思いました。