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歴史がおもしろくない理由

2021/9/6

今年の受験生は、社会を苦手にする生徒が多いです。特に「歴史」。

なぜ歴史がつまらないか聞いてみると

「やる意味がわからない」
「覚えることが多すぎる」
「いつの時代がわからず混乱する」
「年号が覚えられない」
「話を聞いてもつまらない」

とのこと。

私自身は社会、特に歴史は高校まで得意でした。英語や数学が「キツイ授業」としたら、社会の授業は「楽しい授業」という意識でした。なので、苦手な生徒の気持ちがちょっとわからない部分があります

「こんなにおもしろいことが、なぜつまらないのか?」そう思います。

ただ、一方で生徒を取り巻く環境を見てみると、なかなか歴史に興味を持つのは難しいかな、と思う面もあります。

生徒たちが歴史に触れるのは「学校の授業」であることがほとんどだと思います。その学校の授業が「イマイチ」ということがあるのかな、という気がしています。

以前保護者の方が「授業参観で歴史の授業を見た時、ただ淡々と年号と事件について話していただけだった。大人の自分たちからしても退屈だった」という話を聞いたことがあります。

確かに年号と事件だけをひたすら聞かされていたらちょっとキツイ。そう思います。

ただ、一方で学校の先生の立場からしたら、同情すべき面もあります。
「これだけの量きちんと教えようと思ったら、表面的な部分をさらうだけしかない」と。

学校の先生も、もっと脱線しながら色々な事を話したいのではないかと思います。ですが、それをしていたら授業は遅々として進まない。そうすると、テストの範囲まで終わらなくなってしまう。

「先にすすめる」ことを優先しなければならなくなり、結果として授業が「つまらなく」なってしまうのではないかと思います。

自分も生徒から質問があった時に説明をしますが、熱が入る時があります。
フッと我に返った時、「ちょっと余計なことまで話しすぎたな。」「説明はもっと簡単にして、問題を解く時間を取った方がよかったかな。」と思うことがたびたびあります。

生徒に興味を持ってもらうには「脱線」した方がいいのですが、あまり「脱線」しすぎると、授業が全然進まなくなる。
この部分のバランスを取るのが難しいと思います。

しかも歴史はこれから先、覚えることが増えることはあっても減ることはありません。未来になればなるほど覚えることが多くなり、子どもたちの負担は増える一方です。

こうした現状をみると「もう少しやる内容を絞った方がいいかな」と思います。
ただ一方で「じゃあどこを絞るんだ」という気もして、なかなかうまい答えがないなぁ、というのが正直な感想です。

そんな歴史ですが、生徒に教える際に自分が心がけているのは、「人物」にスポットを当てる、ということです。

歴史というと、何か高尚なもの、小難しいもののように感じますが、結局は「その当時の人たちのドロドロした人間欲」といったものがあふれたもの。そのように考えています。

そうした人間の「欲」の部分から話していくことで、「なんだ、昔の人たちも今の自分たちの感覚とあまり変わらないじゃないか」そう感じて、少しでも興味を持ってほしい。そのように意識して指導しています。

大人になった今でも趣味として「歴史」は自分の生活の身近にあります。生徒たちにもただ「勉強のため」だけでなく「興味の一環」として歴史を学んでほしい。そう願っています。


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