体験から学ぶ
2022/4/27
理科の「地層」について教える時に、困るところがあります。
それは「れき・砂・泥」の関係です。
「れき→砂→泥」の順番で重いのですが、これらが川から海に流れ込む時、どのように堆積するか。
この部分が理解できない子が多いので、毎年驚いています。
砂遊びの延長
私の感覚では、この部分は「砂遊びの延長」で理解できました。
小さい頃、田舎の庭で遊んでいた時に、泥水を流したことがあります。
水を流した時に、石など重いものはあまり遠くまで流れていかない。
一方で砂などの石よりも軽いものは遠くまで流れていく。
こうしたことを「体験」として知っていたので、この部分の説明を見ても、
「ああ、砂遊びのあの時の要領ね」
という感じで、感覚として理解することができました。
ですが、多くの生徒にはこうした感覚がわからない。
そのため「言葉」によって説明しなければならないのですが、これが非常に難しいです。
「体験さえすれば、いちいち説明しなくてもすぐに理解できるんだけどな…」
そう思いながら、毎回指導しています。
「体験」が不足している
毎年「理科」を苦手にする子が多いのですが、こうした「実体験から学ぶ」ことができなくなっていることが原因なのではないかと思うことがあります。
「体験」すれば一発で理解できることを、「知識」として覚えようとする。
ここに問題がありそうです。
以前、まだ生徒が少なかった頃、夏期講習の休憩中に、中3の生徒数名に、庭の草むしりを手伝ってもらったことがあります。
その中で、引っこ抜いた草を見ながら、
「この草の根っこはひげ根だから単子葉類」
「この草の根っこは主根と側根がわかれているから双子葉類」
なんてことをワイワイ言いながら、草むしりをしました。
そうしたら、夏休み明けの模試で、たまたまその部分の問題がモロに出ました。
草むしりを手伝ってくれた生徒の解答を見たら、みんなきちんと答えられていました。
私なども、田舎道、帰りながら畑に植わっていたトウモロコシを見ながら、
「トウモロコシの葉は平行脈だから、単子葉類なんだな」
「そういえば、たしかに根っこはひげ根だったな」
なんてことを、ぼんやり思いながら帰っていたのを思い出します。
「ゆとり時間」も必要
こうしたことは「勉強として覚えた」というよりも「体験として知っていた」という感じです。
今の子どもたちは、やることが朝から晩まできっちりと決められている感じがします。
そして、あれこれと決められたことをこなすのに手一杯になっている印象を受けます。
ですが、子どもの頃に放置されたことによる「時間つぶし」が、実は勉強面でも役に立つことがある、ということがままあります。
その意味では、もう少し今の子どもたちも、のんびりとした時間が必要なんじゃないかな、と思います。
与えられた「ひまな時間」の中で、自分で考え、どのように行動するか。
こうした経験がある子の方が、大人になっても自分で考えて行動できる、自立した人間になるような気がします。
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