反復練習で身につける「知識」
2022/6/8
数学を教えていると、生徒の「計算力の無さ」にイライラすることが多いです。
よく「数学が苦手」という話を聞きます。
ですが、私の感覚では「数学が苦手」と言っている生徒のほぼ全員が「練習不足」だと感じます。
反復練習が足りない、と。
「苦手」という言葉は、ある程度の練習をしてから使って欲しいな。
と思います。
厳しい見方かもしれませんが、偽らざる本音です。
計算から見えるもの
生徒の計算の様子を見ていると、色々なことがわかります。
同じようなミスを何度も繰り返している生徒は「注意力がない」。
途中式を書かない生徒は「面倒くさがり」。
きちんと解けるのだけれども、工夫して解けない生徒は「融通がきかない」。
などなど。
その生徒の性格が見られるようで、とても面白いです。
残念なこと
そんな「計算」ですが、指導していて一番残念なのが、
「工夫して解く生徒がいない」
ということです。
例えば
「4×0.75」
という小数の問題があったとします。
この問題、ほとんどの生徒がそのまま計算します。
暗算で解ける生徒がいればいいかな、というくらいです。
ですが、それだと面倒です。
私の場合、「0.75=3/4」ということを覚えているので、0.75を3/4に変換し、
4×3/4
という形で計算します。
なので、この式を見たら、計算するまでもなく、瞬時に答えが「3」だということがわかります。
また、「0.75=3/4」というような変換ができなくても、せめてかけ算の順番はひっくり返して
0.75×4
という形で計算して欲しいな、と思います。
こんな感じです。ちょっと工夫するだけで、だいぶ計算はラクになります。
こうした工夫をすることができる生徒に、今のところ1人も出会ったことがないのが残念です。
教えても、身につかない
こうした計算方法は「教えても」いいのですが、教えたところで使いこなせるようになりません。これは断言できます。
結局、反復練習の中から、「自分で見つけ出した知識」には敵いません。
私なども散々計算の反復練習をやらされましたが、そうした中で
「なんか0.75って数字が何度も出てくるな」
↓
「0.75って分数にしたら3/4だな」
↓
「よく出てくるから、この関係式は覚えちゃったほうがラクだな」
というような形で、1つ1つ計算のコツをつかんでいきました。
このような
「圧倒的な反復練習の中から身につけた知識」
というものを感じさせる生徒がいない。
その点がものすごく不満であり、また残念に思うことでもあります。
なんというか「上っ面の知識」ばかりを求めすぎているというか…。
「上っ面の知識」をどれだけかき集めても、役に立ちません。
「反復練習」は地味ですし、時間もかかります。
ですが、その中から身につけたものは、確実に「知識」として残ります。
そうした「反復練習」の中から身につける知識というものを、もっと大事にしてほしい。
そう思っています。
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ぜひご覧ください。