「逆転」する子の共通点
2022/11/14
前回まで、当塾の生徒で、「逆転合格」した生徒の話をしてきました。
この3名、実は「共通点」があったのですが、お気づきになりましたか?
「逆転」した生徒の共通点
「逆転合格」できた生徒の共通点。
それは
「国語ができた」
ということです。
3名とも国語に関しては、安定した成績を残していました。
総合テストで言えば、悪くても60点台。通常は70~80点台をキープ。
なが模試の偏差値でも、たまに悪い時もありましたが、平均すると偏差値「55~60」という感じでした。
それぞれに苦手な教科がありましたが、
「国語は安定してよかった」
というのが特徴です。
「国語」が得意な生徒の利点
「国語」が得意な生徒は、苦手な生徒と比べると、以下の点が違います。
①理解が早い
②自分の状態を言葉で説明できる
③英語が伸びやすい
「①理解が早い」については、以前、印象的な出来事がありました。
同じくらいの学力の生徒に「数学」を教えたことがありました。
新しい単元だったので、どちらもまっさらな状態でした。
二人は同じ中学の友達同士でした。
同じように動画授業を見せ、同じように問題を解かせ、同じように説明をしました。
国語が得意な生徒は、一度動画を見て、問題を解いて、説明をするだけで理解することができました。
一方、国語が苦手な生徒は、同じように動画を見て、問題を解いて、説明したのに、理解が遅れました。
それどころか、国語が得意な生徒から、
「そこはこういう意味だよ」
「そうじゃなくて、さっきこうやって説明されたじゃん」
と、国語が苦手な生徒に教えてあげていました。
「国語の得意・不得意で、同じことをやっても、ここまで理解力に差がついてしまうのか」
と、その現実をまじまじと見せつけられた思いがしました。
「②自分の状態を言葉で説明できる」というのは、国語が得意な生徒の方が、「きちんと現状を伝えられる」力があるように感じます。
質問をするにしても
「この部分がわからないので、教えてもらえますか」
「この意味がわからないのですが」
というように、具体的な形で質問をしてきます。
一方国語が苦手な生徒の場合、
「わからないです」
「知らないです」
というように、ものすごくアバウトな感じでしか伝えられません。
そのため、「どこから説明すればいいのかがよくわからない」という状況になります。
「自分の置かれている状況を、言語化して相手に伝えられない」
というのは、かなり不利だと思います。
「③英語が伸びやすい」というのは、国語が得意な子の場合、一度覚えてしまえば、あとは自然と理解できるようになっていく、という感じがします。
一方、国語が苦手な生徒の場合、例えば、和訳の説明をしたとします。
ただ、その和訳の意味が理解できないため、その和訳の意味を理解しなければならなくなります。
当然、その和訳に相当する英語は理解することができません。
結果として、英語が理解できない。
そのような感じがします。
国語には「ゴールデンエイジ」がある
そのように重要な国語ですが、中学になってから「国語」を伸ばすのは、経験上「厳しい」と感じています。
サッカーなどで言われている「ゴールデンエイジ」のようなものが、国語でもあるように感じています。
具体的に言うと「10歳」、小学4年生までに国語の素養をある程度身につけておかないと、その後国語を伸ばそうとしても、なかなか伸びない、という感じがしています。
中学で「国語」をやる場合、根本的な実力強化はかなり難しいです。
そのため「対処療法」にならざるを得ない、というのが、私の個人的な感想です。
国語が苦手な子の共通点
数学ができるけど、国語が苦手。
男子を中心に、こうした生徒が見られます。
そうした生徒の特徴に「話し方がなめらかではない」というのがあります。
感覚的なものになるのですが、話していると、ちょっと舌足らずな感じがしたり、ところどころ詰まったり。
「なめらかに話せない」という感じがします。
なので、「この生徒は、小さい時に音読をあまりしてこなかったのかな」という風に感じます。
逆に言えば「音読」をしっかりすることで、ある程度「国語」の苦手は克服することができるのではないか。
最近はそのように感じています。
「読む」「書く」というのは、勉強する上での基本です。
できるだけ小さいうちに、もしある程度の年齢になったとしても、その基本的な部分を継続して鍛える。
そうした取り組みが、結局最後の土壇場で威力を発揮するのかな。そのように思います。
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