「高学歴」には、お金がかかる?
2023/4/14
とある雑誌の中で、このような記事がありました。
「東大などの高学歴の取得に関しては、『中学受験合格者』が圧倒的に有利になっている」
確かに、「東大合格者数ランキング」を見てみると、上位は私立の中高一貫校がズラッと並んでいます。
京大は、東大と比べると公立高校が検討していますが、それでも私立の中高一貫校の名前が目立ちます。
「東大や京大なんて、とても無理だし…」
「これは大学進学の話だから、うちには関係ない」
というご家庭もあるかと思います。
ですが、身近な「公立高校入試」においても、
「我々世代が経験してきた流れとは、少し潮目が変わってきている」
ということを感じます。
地元の公立中からは深志に入りにくくなっている?
例えば、地元安曇野市の場合。
我々が受験した頃は、「地元の公立中学のトップ層が深志に入学する」というのが一般的でした。
ですが、今は、私立の「才教学園」があります。
才教学園の生徒は、毎年深志に十数名受験していますが、そのほとんどが合格します。
なので、「才教学園の受験生」の分、公立中学の「合格枠」が狭くなっていると言えます。
才教学園に通っている生徒を指導したことがありますが、元々実力がある上に、かなりの努力をしています。
時間もお金もかけて、しっかりと準備している。
そうした姿を見ていると、地元の公立中学に通っている受験生は、正直かなり見劣りします。
「才教の生徒と競争したら、そりゃ負けるわ」
これが偽らざる本音です。
なので、我々世代の「昔の感覚」で深志進学を考えていると、痛い目に遭う恐れがあります。
熱心な層は「中学受験」に挑戦する
また、大学入試まで考えた場合、昔は
「地元の公立中→公立高校に進学して、大学を受験する」
という流れがほとんどでした。
ですが今は、
「中高一貫校から大学入試を狙う」
という層も増えてきています。
特に、教育熱心なご家庭であれば、その傾向が強いように思います。
具体的には、学力の高い小学生は
・松本秀峰
・諏訪清陵
を受験しています。
また、「中高一貫校」ではないですが、「信州大学付属中」を目指して受験する小学生も、昔と比べると、着実に増えてきているように思います。
我々が小学生の頃、安曇野市から、わざわざ遠くの信大付属を受験する子はいませんでした。
ですが、今は普通に「信大付属の受験」を考えている子がいます。
以前であれば、地元の中学に進学していた学力上位層が、こうした難関中学に進学する。
そうなると、「地元の公立中学のレベルは…」ということになります。
私立の学校に通うのも、中学受験をするのにも、ある程度の「お金」がかかります。
そう考えると、
「高学歴を目指してお金をかけているご家庭が、以前よりも着実に増えている」
ということが言えるように思います。
「公立中→公立高」だと、大学入試は厳しいのか?
では、我々世代の時のように
「公立中から公立高校に進学して、難易度の高い大学に入る」
というのは、無理なのか、というと、必ずしもそういうことはないと思います。
ただ、「かなり考えて準備」をしていく必要があると思います。
具体的には
①読書好きにする
②計算に強くなる
③英語を先取りする
ということが必要かと思います。
「①読書好きにする」ですが、すべての教科の基本となるのが「国語」です。
国語の実力は「10歳までで決まる」ということも言われています。
なので、「いかに小さい頃に、読書に親しませるか」というのがまず最大のポイントになるかな、と思います。
次に「②計算に強くなる」ですが、算数や数学の基盤となるのが「計算力」です。
ここがきちんと身についているかどうかで、数学や理科の伸びは違います。
首都圏の私立中学の計算問題を見てほしいのですが、公立の小学校ではお目にかからないような複雑な計算をしています。
私立中学の、難解な問題は解けなくてもいいと思いますが、せめて「計算問題」くらいは、私立中学受験生と同等レベルにまで高めておきたいところです。
とにかく数学を指導していても、
「計算が遅い」
生徒がほとんどなので、とてもがっかりします。
何も考えずに、ただ解いている。
「速く解けるようになるには、どうすればいいか」
ということを、もう少し考えて解いてみてほしいな、ということを指導していて思います。
「③英語を先取りする」ですが、高校入試においても、大学入試においても、難易度の高い学校に進学するには
「英語で点数を稼ぐ」
ことが必須です。
また、高校入試を考えた時に、例えば数学を先取りしようとしても、「数ⅠA」の内容を中学で勉強しても、入試に活かすのは、かなり難しいです。
ですが、英語はある程度先に進めて実力を完成させておけば、
「ほとんど勉強しなくても、点数が取れる」
段階にまで引き上げることが出来ます。
そう考えると、
「中学までの間に、どれだけ英語で先行できるか」
ということが大事になると思います。
お金の変わりに「知恵と工夫」で勝負する
いずれにしても、お金がかけられないのであれば、その分、「別のもの」をかける必要があると思います。
それは「親の労力」です。
正しい情報を収集して、自分の子どもにあうかどうかを試しながら、子どもと一緒になって、自分自身も鍛えていく。
お金の代わりに「知恵と工夫」で勝負する。
そういう姿勢があれば、経済力の差は、カバーできるように思います。
子ども以上に、親が「考え、学ぶ」。
そのようなご家庭であれば、これまで通り「公立中→公立高」の進路をとっても、十分に戦える。
そう思います。
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