「応用問題やりすぎ」問題
2024/9/6
気をつけたい「応用問題重視」
入試に向けて、これから受験生が勉強していく中で、気をつけたいことがあります。
それが
「応用問題を重視しすぎる」
ということです。
受験生は、総合テストに突入しました。
今までのテストと比べて、圧倒的に難しい問題が増えた。
当然、点数も下がった。
これを挽回するには、総合問題でたくさん出てくる「応用問題」をやればいい!
ということで、応用問題ばかりを解き始める受験生が必ず出てきます。
ですが、どれだけ応用問題をやっても、結果はよくなりません。
むしろ「悪く」なります。
「応用問題」とは何か?
そもそも「応用問題」とは何か、ということを考えてみます。
応用問題は大きく分けて、2種類にわかれます。
①応用問題特有の「難しい知識」が必要な問題
②基本知識が何重にも重なっていて、難しく見える問題
確かに、①の特徴の応用問題が出る場合は、応用問題のための対策をしなければなりません。
ですが、①のタイプの応用問題が出るのは、「首都圏」あるいは「高校独自の問題を作成している」というように、特定の地域に限定されます。
長野県の入試問題については、②の特徴、つまり「基本的な知識が積み重なっていて難しく見える」というタイプの応用問題がほとんどです。
基礎ができてなければ意味がない
なので、基礎が固まっていない生徒がどれだけ応用問題に取り組んでも、効果がありません。
英語を例に説明します。
英単語を知らないのに長文を読んでも、まったく内容は理解できません。
ただ単に
「やったつもり」
「解いたつもり」
になるだけです。
以前いた生徒でも、数学で1・2年の時は80、90点取っていた生徒が、3年になって50点くらいしか取れなくなったことがありました。
私は「基礎が身についていないから」と思っていたのですが、その時に生徒がやったのは、
「応用問題ばかり解く」
という対処でした。
どれだけこちらで
「先に基礎を固めた方がいいよ」
と言っても聞かないので、ある程度自由にさせました。
その結果、2月の最後の総合テストでかなり低い点数を取ってしまいました。
そこまで追い詰められて、ようやくこちらの言うことを聞く気になりました。
そこから入試本番まで、二次関数の基本(式の形、変域、変化の割合など)を中心に、ひたすら「基礎練習」を徹底的にさせました。
その結果、入試本番では数学70点台を取って、無事に合格していきました。
今は「基礎」を固める時期
ほとんどの受験生が、1・2年、または3年で習った内容がきちんと身についていない状態です。
その状態でいくら「応用問題」をやったところで、まったく実になりません。
現時点で「応用問題」を解いて対策をしていくレベルを数字で言えば、3年生のテストで
5教科合計が「平均点+120点以上」
1教科だと「平均点+30点以上」
を安定して取れている人です。
おそらく各学校でだいたい上位10%くらいの受験生になると思います。
そのくらいの実力がある人は、逆に応用問題を使って、ガンガン問題演習をすべきです。
それ以外の受験生、全体の90%くらいの人たちは、今の時期はひたすら「基礎固め」をすべきです。
「真の実力」を身につけよう
地道な「基礎固め」は、結果が出るのに時間がかかります。
多くの受験生が途中で挫折し、「応用問題演習」に逃げます。
ですが、逃げた段階で成長は止まります。
地道にやり続けた生徒のみが成長します。
こちらも以前いた生徒ですが、英語の苦手な生徒がいました。
その生徒には「新研究」を使ってひたすら
「単語の暗記」
をやらせました。
2学期が終わり、1月のテストが終わっても結果は出ませんでした。
ですが、2月、最後の総合テストでようやく「86点」をという結果を叩き出し、見事志望校に合格していきました。
最後まで地道に「基礎固め」を出来た生徒だけが
「真の実力」
を手にすることができます。
受験生の皆さんには、目先の「安易な道」を選ばず、「厳しい道」を選択してほしいと思います。
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